約 1,716,031 件
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/718.html
305 :名無しの紳士提督:2015/12/10(木) 01 51 13 ID BFr1zh0E 意味もなく、執務机の引き出しを開ける。 そこには使い慣れたペンも、艦娘に差し入れられたお菓子もなく、ただがらんとした空間があるのみ。 辞令も降りていないのに、我ながら気が早い。そんなことを思いながらも、しかし荷造りは半分以上を済ませてしまった。 そこへ、こんこん、とリズミカルなノックの音。 その軽空母が鎮守府執務室にやってきたのは、そんな手持ち無沙汰な最後の夜の時間だった。 「や。提督。――ちょっと、話がしたいんだけどさ」 特にムリをしているようでもない、いつもの調子。睨まれても泣かれてもおかしくないが、悲嘆にくれるような表情は決して見せない。 「…隼鷹か。構わないよ。どうぞ」 今回は君もお疲れ様だったね。援護に回った後も、よく成果を挙げていたよ。 我ながらどこか白々しいことを言いながら、入室を促す。 「――辞めるんだって?ここ」 単刀直入。彼女らしい質問に、ああ、と短く応える。 「僕には向いてない仕事だった。いや――正直、僕の能力には荷が重かった。そういうことさ」 一瞬だけ、彼女の瞳に曇りが生じた…ように見えた。 「…そっか。まあ、しょーがないな。あたしが決めることじゃないし」 でも、海域の攻略も中途半端だけど――そんなことを言いながら、ちらりと表情を伺ってくる。 「やむを得ない。今回はE3地点攻略までで終了だよ」 「突破できない場合、どうなるんだ?」 「知っているだろう?アレが使われる。――全部、跡形もなく吹っ飛ばされる」 深海棲艦も、近隣の島礁もそこに住む人々の家も、故郷も。そして、向こう数百年は人も近づけない海域になる。 ようやく改二戦力も整ってきて、古株の一人とのケッコンカッコカリも果たして。次は初の甲勲章授章だと、鎮守府全体を浮かれされて―― 「あいつが、自分から次へ行くって言ったって聞いたけど」 「いや。僕の責任だよ。僕の、慢心がすべての元凶だ」 「…疲労が溜まっちゃったあたしの代わりに、たまたまなったばかりにねぇ」 力不足だったね。そういって、隼鷹は軽く息をつく。 いや。艦娘たちは良く頑張ってくれた。恨む気持ちなど全く持ってはいない。 ただ、僕の背伸びのためだけに。やがて修復剤が尽き、燃料が尽き、焦った僕はついに、取り返しの付かないミスをした。 「ん。分かったよ。そんなら、わたしの身の振り方についても相談させて欲しい。…ここに居るべきか、正直、判断が付かなくて。それに――」 一人で部屋にいるのは、あまり慣れて無くてさ。 静かに、ただ少しだけ寂しげにそんな事を言われては、僕には他に選択肢のあろうはずがなかった。 「さて、じゃあ提督にはヒミツの隼鷹さんコレクションを堪能してもらおうかな。パーッといこうぜ、パーッと」 鎮守府空母寮、飛鷹型の私室。クローゼットの奥の方に鎮座していたのは、一目見ても高級そうな酒瓶の山。 「…このご時世に、どこからこんなに集めたんだ」 「チッチッ。商船改造空母をナメちゃいけないなぁ」 交渉次第で裏ルートなんて何処にでもあるんだよ、などとある意味危険なことを言いながら、二人分のロックグラスに手際よくアイスブロックとウィスキーを注ぐ。 薄手のドレスのような部屋着に身を包んだ隼鷹は、細かい仕草まで意外に上品だった。生まれ育ちが良いという風説は事実だったのかもしれない。 「はい、提督の分。さて…お疲れ様でした。かな」 自室での秘密の酒盛り用なのだろう、向かい合った大きめのソファ、ガラス張りのテーブルの対面に座ると、かちん、と勝手にグラスを合わせ。 隼鷹は、ぐっと多量の一口めを喉に注いだ。 「…そして、あいつにも。お疲れ様ぁ」 虚空に向かって軽くグラスを差し出すその仕草は、人によっては皮肉にも取られようが――彼女の人柄あってか、まったくそんな風には見えなかった。 飲みたい気分でもなかったが、彼女の代わりに付き合うのは、今夜の僕の義務なのだろう。一口目を、喉に運ぶ。 最悪の気分を反映した重い鉛のような、味を感じない、ただ強烈に熱い感覚が、喉を焼いた。 「じゃあ次はこっち開けるか。――ん、どした提督?もう酔った?」 「酔えるような気分じゃあないんだよ」 小半時が過ぎたか。視界が回る。ひらひらの部屋着からたまに覗く隼鷹の白い脚が、妙に眼に焼き付く。 「ケッコンしたあの彼女も置いていくのか?今なにやってんだ?」 「ベッドで寝てるよ。生命に別状はないが、怪我は直せない。修復剤も、燃料ももう無いからな」 自分への再びの腹立たしさに、再びぐいと一気にグラスを開ける。 「それにケッコンカッコカリはそういう関係じゃない。新しい提督の元で、彼女も、きっと、居場所を…」 「あーあ。それ本人聞いたら泣いちゃうぜ……っと、あらら。…溢れちゃったか」 グラスを見る。琥珀色の液体はグラスの半ばまでしか注がれておらず、別に溢れてはいないように見える。が。 それを観る視界のほうが、酔いではない理由でぼやけていることに気づいた。軽く目頭を押さえる。 「違う、これは…」 「ムリするなよ」 隼鷹が隣に座って、間近で目を覗き込んでくる。心配でも媚でもない、困った子供を見るような優しい視線。 「知ってるぜ。アンタが、勲章までも売り払って燃料に変えたコト。それこそ、裏のルートを使ってまでも」 「ああ。出撃する燃料の一滴のため、沢山の艦載機も洋上補給も潰したさ。……それが、どうした。物資不足なんてどこの戦場も一緒だ。僕は結果を出せなかった」 「良くやったよ、アンタは。あたしも、他の艦娘も、そう思わない奴は一人もいない――勿論、アイツもだ」 返答に詰まる。そんなはずはない。きっと恨みと後悔の中で、彼女は。 「泣きたかったら泣けばいい。誰も見てない。あたしの胸でよきゃ、貸してやるよ。ほれ」 まるではるか年上の女性のように、耳に静かな声色と共に、隼鷹の両腕が僕を包み込んできた。 「……」 何かに吸われるように、そのまま自然に身を預ける。リラックスした女性の優しい香り。柔らかな胸の感触。 そして、何よりも、温かさが。 僕が深海に沈む冷たい躯に変えた、あの彼女が永遠に失ってしまった、その温もりが。 「…っ、」 一粒が、頬を流れ落ちる。 その後は、堰を切ったように留めることが出来なかった。 「…『飛鷹』…。…すまなかった、僕は…僕は……無能だ…ッ!!」 喉から嗚咽が溢れる。隼鷹の細い身体に縋り付き、僕は声を上げて泣いた。 「気が済んだかい?」 頷くと、優しく髪を撫でてくれていた手が、止まった。 静寂。 濡らしてしまった薄手の部屋着を通し、女性特有の柔らかな感触と、どこか懐かしいような匂いを頬に感じ、僕は初めて当惑を覚える。 「ん…正直だなぁ」 苦笑いと共に彼女が「そこ」に手を軽く触れた瞬間、びくりと身体が震えた。 そう――こんな状況下で、すっかり僕の身体は彼女の感触に反応してしまっていた。 「気にすんなよ。隼鷹さんの胸に顔を埋めてんだから、これくらいは当然の反応さぁ」 ほれほれ、と楽しげに豊かな胸に埋めるように抱きしめてくる。やめろ、苦しい… 「――最後の夜だろ?提督。あたしにも、したかったことをさせてくれよな」 急に落ち着いた声でそう言った隼鷹は、僕をソファに置いて静かに立ち上がる。 彼女はそのまま、軽いドレスのような部屋着の背に手をかけ。 「よっ…と」 するりとそれを、いとも簡単に床に解き落とした。 中から現れたのは――扇情的な透過具合の、布面積の小さな黒の下着を纏った、すらりとしたスタイルの良い姿態。 「意外と私も、やるだろ?提督?」 「隼鷹…!?」 匂い立つ白い肌を晒したその姿は、ソファにだらしなく腰掛けた僕の、脚の間に上品に跪き。 納まりの悪い髪を軽く掻き上げ、軽く微笑みつつも、かすかに頬を染めた、その熱い視線の先には。 艶姿を間近に捉えて目が話せず、痛いほどにズボンにテントを張った僕の一点。 「ごめんな、提督。今夜の隼鷹さんは、ちょっと悪い娘な気分なのさ…………っと」 白い冷たい手に引きずり出され、愛しげに先端にキスをされた僕の一物は、快楽の期待に痛いほど反り勃つ反応を返した。 「隼鷹…、やめろ、そんなこと…」 「…ん…酒の席は無礼講だよ、提督。気にしない気にしない。ちょっとしたストレス解消、スッキリさせてあげるだけだからさ……」 上気した顔で頬を染めて、愛しげに脈打つそれを見つめては唇を、舌をつっと這わせる。 軽い言葉とは裏腹に、半ば以上、行為に夢中になったその表情、熱に浮かされたような視線は、僕の酔った心の奥底を欲望に染めていく。 「よ…せ…っ、うあっ…」 「ひゃは……良い反応だねえ。嬉しくなっちゃうよー。…ほーら……」 先端が裏筋を舐めあげ、先頭部分を念入りにぐるりと刺激し始める。僕の心臓が、口から出そうなほどに激しく脈打ち始める。 やがて、つ…と銀の橋を残して、その舌がゆっくりと離れたかと思うと。 「ん…」 「っく……」 柔らかな隼鷹の唇の奥に、…一気に。深く、深く。 そのままゆっくりと上下する。先端から、ぬるりと全面を刺激しながら奥まで。同じように、ふたたび先端へ。 包まれる温かさが、うごめく舌の感触が、僕の意識と理性を蕩かしてゆく。 下着に包まれ揺れる隼鷹の豊かな胸が、時折脚に当たる。その柔らかさ、卑猥な水音、唾液と先走りの入り混じった匂いが、僕を昂ぶらせる。 「…ぷあ。…びくびくしてきた、もうイキそうなのかなー?まだまだ早いよー?」 「う…っ、あぁ…っ!あっ!」 口を離したかと思うと、細い指先が先端を遠慮無く撫で回す。強すぎる刺激に腰が思わず引くと、逃がさないとばかりに今度は再び舌と唇が吸い付いてくる。 「――!」 じゅるるるる、と思い切り吸い上げられ、あまりの快感に思わず背がのけぞった。声にならない悲鳴が上がる。 ぎゅっと全体を手に包まれ、丁寧に舌を這わされる。粘膜に触れる呼吸が、たまらなく熱い。 親指と人差し指で輪をつくり、上下にしごきあげられる。声が止まらず、喉が反る。 それからも延々と、舌で、指で、様々な刺激を与えられ―― やがてエスカレートした右手指に袋部分を揉まれながら、片手指と唇が竿部分を包み込んでの上下運動に入ったとき、真っ白な何かが脳内で焼き切れるような快感を覚え、 「…く、………ぅあっっ!」 「……!」 思わず上から抑え込んでしまった彼女の喉内に、二度、三度、 ――六度目か七度目か、とにかくこれまでに覚えがないほどの量を下着姿の隼鷹の口中に射精して、僕は果てた。 こくり、と彼女が喉を鳴らせた。 上質の酒を飲み下すかのような、満足気な顔で。 「どう?少しは気が晴れただろ?」 手早く再び部屋着に着替え、何事も無かったかのようにグラスを口に運ぶ隼鷹。 「旨い酒飲んで、たっぷり泣いてさ。そんで、女と一発ヒャッハーしたら、多少は冷静になるってもんだろ」 三重の賢者タイムだぜ――そんな下品な冗談を言った彼女に、服を正しながら非難の目で抗議する。 でも。 「――そうだね。いや、完全にそういう訳でもないけれど――お陰で、なんだか目が覚めたような気もする」 もしもケッコンした『彼女』の隣で、最後の時を楚々と過ごそうものなら。 悲劇的な舞台装置に悪酔いして、僕は粛々と此処を去っていただろう。 彼女と、僕自身の義務とを置き去りに。 巧くは言葉にならないけれど。人は、動物は、もっと自然に、やりたいことを貪欲に求める時があっても良い。 より強い何かに噛み砕かれる、その瞬間まで。戦いなんて、生きるなんて、結局はそんな―― 「いま、何がしたい?提督」 優しくて、それでもどこか挑戦的なその問いかけは、本当に軽快で明るく頼れる「隼鷹」そのものだった。 「――ふたつある。ひとつは、海域の突破。もうひとつは、沈めてしまった彼女――飛鷹を取り戻すこと」 焦りでも恨みでもない、静かな気持ちで、僕はそう答えた。 艦娘は轟沈しても、消えてなくなる訳ではない。 その姿と心とを嵐の色に染め、深海棲艦となっていたならば、撃破により正気を取り戻す場合もあると聞く。 艦娘にとっての大破は『沈没』であり、深海棲艦にとっての大破は『浮上』であるからだ。 そしてもうひとつの手段として、『建造』で沈没した魂が再び降りるという例も、聞いたことがあった。 「何十回掛かるかは、分からないが。何十回でも、やるよ」 「もうひとつは、どうする?」 「治療と看護に回ってくれている新人の駆逐艦に、遠征に行ってもらう。僅かでも燃料を得たら、それを使って更に遠征を回せる。修復剤も得られる」 うんうん、と期待に満ちた瞳が頷いてくれる。思えば、泣きたいのは彼女の方であるはずなのに、と僕は今更ながらに気がついた。 「…正規空母が動かせるようになれば、敵の2箇所の補給地点を奪うことが出来る筈。そうして準備を万全に整えたら、地点を復旧される前に、あの潜水艦とまた――戦うよ」 「その言葉を待っておりました、提督」 「!?」 びくりと振り返ると、そこには新顔であるが故に、無傷で動ける貴重な―― 「鹿島です。こちらに、遠征が可能な駆逐艦についてリストアップしておきました」 え、あ、見、見られ… 「この時間になったら部屋に来てくれって言っといたんだよ」 意外と私、やるからねぇ。おどけて軽いウインクをしてみせた飛鷹に、僕は完全に降参を認めた。 「じゃ、今夜の酒盛りはこれにてお開き。明日からは、ちゃんと『あの娘』を大事にねぇ」 「…いろいろありがとう、隼鷹。見せてくれ、鹿島。一緒に執務室に来てくれるか」 ひらひらと手を振ってくれた隼鷹に、しっかりと頷き返す。 そう。僕は、本当の最後までやりたいことを精一杯にやる。 せっかく、応援と助力をしてくれる頼れる仲間たちが、こんなにも居るのだから。 それから先は、さほど語ることもない。 着実な遠征の積み重ねによる戦力回復により、「期限」までにE4地点を突破。彼女の仇を討つことに成功した。 また、余力を持って幹部艦娘数名と検討の末、比較的安全なルートを使用しE5地点までも進行。 修復剤不足を補う、全力出撃に近い軽巡洋艦・駆逐艦有志総力の波状攻撃を持って、これをも撃破。 甲勲章は成らなかったが――僕と鎮守府は、大きな達成感を共有することができた。 ひとつは達成。さて。 「何回建造することになるかねぇ」 「何回でもやるさ」 攻略の翌日、隼鷹と工廠へ。資材を担当妖精へ渡し、新艦建造の指示を出す。その、永い航路の第一回目。果たして、艦娘は… 「名前は出雲ま…じゃなかった、……あれ、提督?隼鷹?!」 その瞬間、僕達がどんなレア艦の入手よりも奇跡の存在を感じたことは―― 改めて言うまでもないことだろう。 (END.) +後書き 313 :名無しの紳士提督:2015/12/10(木) 02 08 55 ID BFr1zh0E 以上、今季イベのマイ鎮守府は妙にドラマチックだったので軽くエロパロに膨らませてみました。 すべて無くして諦めかけたことから最後のオチまで実話です。 ケッコン艦とは別枠で、今度は大事にしたいと思ってます。 お目汚し失礼しました。 314 :追記:2015/12/10(木) 02 20 11 ID BFr1zh0E 1回読み直しただけで誤記を3箇所も発見 まぁ間違い探しということでお楽しみ下さい 315 :名無しの紳士提督:2015/12/10(木) 06 10 16 ID HB3Y7fs6 慢心ダメゼッタイ 今夜は3Pやな(ゲス顔) これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/654.html
230 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/02/25(水) 03 14 36 ID JK8ge.Bs 長いことお待たせした上、まだ続きという体たらくですが一応投下します 鎮守府慰安労働大和編、中編です 231 名前:鎮守府慰安労働[sage] 投稿日:2015/02/25(水) 03 15 19 ID JK8ge.Bs 仕事を終えた東は約束通りに大和の部屋の前に来ていた。 二日前、大和の入渠の手伝いをした際に交わした約束を果たすためである。 しかし気が進んでいるわけではなく、その足取りは二日前と同様に重かった。 未だ部屋の扉をノックすることができないまま、立ち竦んでいるのもそのせいである。 そこへ一人、人影が東に向かって歩いてくる。 月の光のような白銀のショートカットの髪に、陽炎型駆逐艦の制服に身を包んだ少女。 駆逐艦とは思えないほどボリュームに満ちた身体は、浦風と肩を並べるかそれ以上の逸品。 大きさや形だけはなく、歩くたびに柔らかに揺れる様は世の男の視線を引き付けるだろう。 彼女、駆逐艦浜風は東のもとへと歩み寄って口を開いた。 「東さん。大和さんの部屋の前で何をしているんです?」 「あぁ、浜風か。大和さんに呼ばれてたんだが、どうも踏み込めなくて」 「呼ばれたのですか? この時間は部屋に戻っているはずです、では」 「はいはい、おやすみ~」 浜風を見送り、東は一息挟んでから扉をノックした。 乾いた音が鳴るのに続き、入室を促す大和の声に従って部屋に足を踏み入れる。 瞬間、東は自身の目を疑いたくなるような光景が飛び込んできた。 「や、大和さん!? なんて格好してるんですか!?」 「……ふぁい?」 部屋に入った東を待ち受けていたのは、すっかり頬を紅潮させてベッドに座る大和の姿。 それだけではなく、普段から身に付けている服は前の部分が大きく縦に開いている。 サラシすら巻かれていない豊満な胸は、危うく頂点すら曝け出しそうなほど。 そのまま腹、下腹までざっくり開いた服は惜しげもなく大和の肌を露わにしている。 片手には一升瓶が握られており、口元からはだらしなくよだれが垂れていた。 「お酒、飲んでたんですか?」 「そーですよー、一緒に呑む相手がいませんからね! 悲しく一人酒ですよーだ!」 「別にそこまでは――ちょっと、大和さん!?」 「ほっといてください!」 へべれけ状態の大和に驚いたのも束の間、続けて東は目の前の光景を疑った。 手に持っていた一升瓶の口を、大和は咥えて背中を反る。 次の瞬間、東にはっきり聞こえるほど二度、三度と大和は大きく喉を鳴らした。 見ているだけでも胸やけを起こしそうな、普段の大和からは想像もできない光景。 喉が鳴るたびに揺れる豊かな胸に、思わず視線を引き寄せられるがそれどころではない。 これほど乱れるには大和に何かがあったに違いなかった。 その時、やっと一升瓶から口を離した大和が自身の隣をポンポンと叩き始めた。 「んっ」 「へっ?」 「んーん、んーっ」 「……横に座れってことですか?」 「んっ」 口に酒を含んだままの人間に言われてこれ以上不安な言葉もそうはない。 拭いきれない不安、そして何かがあってもすぐに対応できる心構えを用意した。 大和のベッドは青葉の使っていた二段ベッドではなく、一つのベッドとして独立している。 どちらかが暴れても、柵や柱にぶつかって怪我をすることを考えるほど狭くもない。 いざとなれば思い切ってベッドに身を投げれば、十二分に逃げる猶予は作ることができる。 一通り脱出用のプランを頭に思い描いてから、東はベッドに近付いていく。 一歩一歩踏みしめるように大和のベッドに歩み寄りながら、警戒は微塵も怠らない。 何が起きるかは大体予想できている、ある程度悪酔いした人間がやりそうなことだ。 二人の距離はすぐに縮まり、東は身を翻して静かに大和の横に腰を下ろす。 瞬間――大和が起こした行動の始動を見切った東は、躊躇わずベッドに身を投げた。 被食者が取るもっとも有効な手段は抵抗ではなく、逃走である。 しかし東の上を行ったのは大和だった。 気付いた時には既に遅く、東の眼前には大和の顔がある。 口いっぱいに酒を含んだまま、怪しい笑みを浮かべていた。 同時に東の両手首は掴まれ、ベッドの上に押し付けられながら仰向けに押し倒される。 そのまま大和もろとも倒れ込み、東の唇に今まで経験したことのない柔らかさが触れた。 「んっ、ふぅむ、ん~ぅ……」 「ん、んんっ! んんんんーー!!」 唇に伝わる心地良い柔らかさの正体に、東が気付くのに時間はかからなかった。 大和の唇で口を塞がれ、息苦しそうに東が足をばたつかせるが状況は変わらない。 足を動かしたところで、大和は東の腹に跨っているおかげで気にすることもない。 万歳の体勢で抑え込まれている手は動かすこともできず、押し退けることなど無理の一言。 加えて容赦なく唇をこじ開けられ、酒を流し込まれながら舌で口内を蹂躙される。 息苦しさに喘いでいるはずの東の息は、いつの間にか熱を帯び始めていた。 「ぷあっ! や、大和さん……」 「顔が真っ赤ですよ、東さん。さあ、お酒に続いて、んっ」 「う~、うぅ、んん~~!」 ようやく口内の酒が喉を通り越し、酒に充てられた東の意識が揺らぎ始める。 抵抗する力すら抜けていく中、大和は一息つく間も与えず続けて唇を重ねた。 苦しげに漏れる東の息すら呑み込まれてしまいそうなほど深い口づけ。 強く押し付けられる唇からも、抑えつける大和の両の手からも逃れることはできない。 くぐもった水音を上げながら、二人の舌が絡み合う。 「や、やふぁとさん、やめて」 「放しません。もっと、もっとですよ」 お互いに校内で舌先を撫で合う瞬間、東は自身の舌が火傷したような感覚を覚える。 舌同士が触れ合うたび、感じたことのない熱に包まれたような不思議な感覚を覚えていた。 同時にその感覚は心地良さへと変わっていき、徐々に東自身の動きも変わっていく。 気付けば離れようとしていた舌を突き出し、積極的に大和の舌を求め始めていた。 ざらざらした舌の感覚が擦れあい、火傷しそうなほどの熱がどうしようもなく心地良い。 触れ合う唇の柔らかさには中毒性すら覚え、離れがたい誘惑の波となって東を誘う。 唇と舌に走る心地良さから逃げようと考えることすらなくなってしまっていた。 それが酒による酔いか、東自身の意思なのかを考える余裕すらなくなっている。 やがて静かに両者の唇が離れ、唾液のアーチが短くつながった。 「大和さん、もうやめてください……」 「もう止まれないですよ、よいしょっと」 抵抗の意思すら薄らぎ始めた東の上で、大和は身体を半回転させる。 同じ方向を向いて重なっていた姿勢から一転、東の目の前には大和の下着と尻があった。 驚きのあまり跳ね上がろうとするも、大和自身が身を挺してそれを許さない。 上に乗っているだけではなく、しっかりと体重を落として抑え込んでいる。 東の腰に腕を回し、身体を密着させて抵抗することも許さなかった。 一方で東の抵抗は非常にささやかなものとなり、押し返すことは難しくなっていた。 抵抗を試みればもがくことくらいは出来たものの、そこから先には程遠いものでしかない。 しかも身体を動かすたび、相手が大和であり女性であることを意識させられてしまうのだ。 目の前に見せつけるようにして晒された大和の尻は形よく柔らかそうに揺れ、劣情を誘う。 視界いっぱいに広がるその光景に、今にも撫で回したくなってしまっている 腹に感じる大きなもの、抵抗の意思を削ぎ取るような二つの双丘も例外ではない。 お互いが動くたびに形を変え、身体にまとわりついてくるような感覚は心地良さの塊。 視界の左右を覆っている太ももも視界に訴えてくるだけではない。 女性特有の香りを東に漂わせながら、肉付きも形もいい太ももはあまりに性的だ。 理性も何もかも投げ出して抱き付き、押し寄せる心地良さを思いきり味わいたくもあった。 抵抗する手が、時折大和の胸や太ももに伸びそうになるのを堪えるのも徐々に辛くなってくる。 その時、東の顔からサーっと音が出そうなほどの勢いで血の気が引いた。 大和の眼前であろう場所で、東のソレが外気に晒されたのを感じたからだ。 「や、大和さん! それだけは、それだけはやめてください! 早くしまって!」 「ん~……?」 慌てふためく東をあざ笑うように、大和は少し身体を動かしてうつぶせのまま振り返る。 酔いが回ってきているのか、紅潮しきった頬に目も据わっていて、返事はイエスもノーもない。 ただの相槌を打ってから、静かに大和はゆっくりと微笑みを浮かべた。 一瞬背筋に寒気が走るほどの微笑みに続き、大和はそのまま身体を起こす。 同時に大和は東の顔に座り、数度位置を気にするように腰を動かした。 「嘘はいけませんよ東さん、こんなに大きくしておいてやめてくださいなんて、でしょう?」 「ん~! んぐう~~!!」 「苦しそうですね。でも、どんどんそちらの方は大きくなってきていますよ?」 「んん~、んん~~!!」 多少自由になった足をばたつかせたところで、東の抵抗は抵抗らしい抵抗にはならない。 今の身体を動かす感情があまりにも多く、混乱した東の抵抗は子供の駄々にも等しかった。 とにかく状況を打破しなければいけないと焦れば、効果のある抵抗は出来なくなる。 自分自身の象徴を晒され、見られてることを恥とすれば隠すことに意識が行ってしまう。 息苦しさから逃れようとすれば、抵抗は緩くなり息をすることに集中してしまう。 何より、憧れの大和に顔面騎乗されているという現実が何より混乱の種となっていた。 視界は大和の下着で埋め尽くされ、普段味わうことのない女性の下着の感覚。 同じ人間の身体とは思えないほど柔らかく、扇情的な女性の尻の感覚。 憧れの女性に象徴を見られ、恥ずかしいのに抵抗を許されない背徳的な感覚。 そしてその状況を嫌だと思いながらも、快楽に直結していることが最大の原因だった。 かつて青葉に拘束された時のように、それを良しとして感じてしまっている自分がいる。 「じゃあそろそろ触ってあげましょうか、それっ」 「んっ、んんっ!」 騒ぐ東のことなど気にもかけず、視線は反り返っている東のソレへ。 顔面騎乗の体勢のまま、大和は少し前かがみになって東のソレを手のひらで包み込む。 集まってきた血液のおかげでこれ以上ないほど硬くなったソレに触れるのは、大和も初めてのこと。 ゆっくり、ゆっくり、手のひらで覆ってから掴むまでにはやや時間を要した。 「か、硬くて、熱いですね。それになんだかぬるぬるしてますよ?」 「ん~! ん~!」 あまりの恥ずかしさに、思わず東の手が伸びた。 腕だけでもなどという戦略的な思考は全く存在していない、ただ大和を止めたいだけ。 大和がソレに触れるのを阻止したいという、恥ずかしさからくる行動だった。 しかし大和に顔に座られている東が、的確に手首を掴めるわけもない。 「……東さん。どさくさまぎれにおっぱい揉まないでくれますか?」 「んっ!?」 「全く。初めて会った時も、今この時も、今度という今度は許しません」 「ぷはっ。違うんです大和さん! 話を聞いてんぶぅっ!」 一瞬、大和が腰を上げたものの、すぐさま体勢は元通りになった。 大和は器用にも東の両腕を折りたたんだまま、自身の膝の裏に挟んで再び腰を下ろす。 顔面騎乗に加えて、さらに両腕まで拘束された東の状況は最悪といってよかった。 「しばらく大人しくしていてください、さぁ。行きますよ」 「――っ!!」 大和の手が既に先走りに濡れた東のソレを扱いた瞬間だった。 うめき声すら上げられないほどの快楽の波が東に襲い掛かり、一度大きく痙攣する。 吹き出した先走りが、東のソレどころか大和の手にまで降りかかった。 一頻り東の痙攣が収まったころ、大和は静かに口を開く。 「そんなに気持ち良かったんですか? 少し驚きました」 本当に驚いたのだろう、自身の手を見ながら大和は目を丸くしている。 しかし応える余力もないのか、東は大和の下で呼吸するのが精いっぱいの様子だった。 そんな姿を見た大和は手を収めるどころか、さらに行動がエスカレートしていく。 「でもこれはお仕置きです。少なくとも、出てしまうまではやめませんからね」 言うが早いか、勢いに乗った大和は再び東を顧みることなく再び手を動かし始める。 先走りに濡れたおかげか、大和の手は東のソレを滑らかに扱いた。 大きく根元から先へ、先から根元へ往復するたびにくちゅりくちゅりと粘り気のある音が響く。 大和の手のぬくもり、柔らかさ、そして先走りのぬめり気がもたらす不思議な快楽。 東が果てそうになるのに、そう時間はかからなかった。 「んんっ、んん~~」 「どうしました? 東さん。もしかして出ちゃいそうですか?」 「んっ――!? んんっ!」 「恥ずかしがらなくていいです。ほら、もっと色々してあげます」 先に呑んでいた酒のせいか、はたまた純粋にテンションが上がってしまっているのか。 楽しげな笑みを浮かべた大和の手つきが、熟練者に見えるほど小刻みに手慣れたものになる。 左手で東のソレを抑えながら、右手のひらで勢いよく亀頭をこする。 吹き出す先走りを塗り込むような動きに、東の口から悲鳴にも似たうめき声が漏れた。 「すごく気持ちよさそうですね~。じゃあこれも気持ちいいですか?」 続けて大和はソレの皮を根元まで下ろし、露わになったくびれの部分に指を這わせる。 “カリ”と呼ばれる部分をこすられるのと同時に、東の悲鳴にならない悲鳴が響いた。 大和に顔面騎乗されたままの東は抵抗だけでなく、何をされているかの視認も許されない。 なすがままの姿勢で悶えるしかできない東の姿、今の大和にとって面白いものなのだろう。 しばらく亀頭やカリといった、集中的な攻めを展開し続けたところで大和の手が止まる。 東を手籠めにしながらすっかり楽しんでいた大和の表情がやや曇っていた。 体勢は変えず、目を細めながらじーっと東のソレを凝視し続けている。 先からはとどまることなく先走りを流し、小刻みに震えて今にも射精してしまいそうなソレ。 何か納得しない様子で、大和は頬を膨らませながら東の上に倒れ込む。 「それにしても、なかなか出ませんね。我慢強いというか、何というか……」 「はぁ、はぁ、もういいでしょ、大和さん。勘弁してください」 「いーえ! これだけやって出さないなんて、女として納得いきません!」 「まだやるんですか……」 「そうだ!」 ようやく顔面騎乗から解放され、息も絶え絶えの東の上でふと大和がひらめいた。 嫌な予感しかしない東だが、もう大和を動かす体力など残ってはいない。 「何する気ですか?」 「出てくるものなら、吸い出せばいいんです!」 「はい?」 「行きますよ~。はむっ」 言い分を理解するよりも先に、東のソレは大和の口の中に呑み込まれた。 先走りとは比べ物にならない粘り気と、熱さすら感じる口内の体温が一気に襲い掛かる。 同時にソレ全体を呑み込んでしまいそうなほど強く、大和が口をすぼめて吸い上げた。 言葉通り吸い出されるように、ソレから堰を切ったように精液が迸る。 こうなってしまっては、東にできることなど本当に何一つなくなってしまった。 視界に火花を散らす凄まじい快楽に耐え、大和にしがみつきながら身体を痙攣させる。 我慢に我慢を重ねた東が吹き出した精液は、あっという間に大和の口内を白濁に染める。 それだけではなく、口内で跳ね回りながら最後には大和の顔に精液をぶちまけていた。 同時に信じがたいことが起きる――。 「なんて濃い、男性の匂い。あっ、嘘っ? 私、あっ、あぁ、んっ――!」 「もう、今度は何ですか?」 「ご、ごめんなさい、私、私……ああああぁぁぁぁ~~!!」 精液を浴びた瞬間、自らの秘所を抑えながら大和がびくびくと痙攣し始めた。 東に全く触れられておらず、終始責め続けていた大和の突然の絶頂。 加えて下着はびしょびしょ、下にいた東すら潮まみれになるほど勢いよく潮まで噴いた。 何が起こったのか東に分かるわけがない、大和自身何が起きたのか分かっていない。 ただベッドの上には、互いに絶頂を迎えた大和と東が力なく横たわっているだけだった。 238 名前:鎮守府慰安労働[sage] 投稿日:2015/02/25(水) 03 20 19 ID JK8ge.Bs 以上で大和編、中編は終わりです えっちなお姉さんって感じの大和を書きたい→酒の力という短絡的な発想 今月中にできれば結末まで書きたいかなと思っています それではまた、 239 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/02/25(水) 08 28 24 ID Afbo4aLU GJです! これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/672.html
ヴィットリオ・ヴェネト級のリットリオとローマの2人は、 リットリオが赴任中の鎮守府近隣に位置する喫茶店にいた。 イタリアから日本へ転属となった2人はそれぞれ別の鎮守府へと赴任していた。 偶然2人の長期休暇が重なり、今回は妹のローマがリットリオに会いに姉の鎮守府へ向かったのだ。 電話や手紙でしか互いの近況が聞けなかった為、顔を合わせるのは久しぶりになる。 店は中途半端な時間だからか人もまばらで、テラスには彼女たち2人しかいない。 姉妹はそれぞれ紅茶やコーヒーとスイーツを片手に、忙しさの中にある余暇を味わっている。 そして姉妹がそれぞれの提督と付き合い始めたと告白するやいなや 話は自然と艶色を帯びていく。 「ローマは何時から提督と付き合ってるの?」 「1ヶ月前に告白されてからね」 姉リットリオに聞かれて、ローマは淡々と話し始めた。 「執務室で二人きりになった時よ 提督が指輪まで持って私に告白してきて・・・・・・。 そのまま、キスしたわ」 それを聞いた姉は「あのローマがねぇ・・・」と小さく感嘆の声を上げる。 「本当は自滅覚悟で私から告白するつもりだったのよ。 どうせ、あの提督が自分から告白なんて出来るわけないと思ってたわ・・・ でも、告白されて・・・両想いって分かって・・・・・・すごく・・・嬉しくて・・・・・・」 「その後はどうしたの?」 恥ずかしそうな顔でリットリオの耳元で呟く。 「・・・・・・ええっ!混浴!?」 「しーっ!姉さん声が大きいわよ・・・!」 リットリオは少し身を乗り出して、ローマに尋ねた。 「鎮守府のお風呂を一つ貸しきったのよ、2人用の浴室をね、提督特権で」 「ふむふむ・・・・・・」 「先にお風呂に浸かりながら待っていたけれど その間、胸の高鳴りを抑えられなかったわ・・・。 でも中々来ないし・・・だから、女を待たせやがってと思って 説教しに脱衣所に行ってみたの。 そしたら半裸の彼がタオルで股間を隠してじっとしてたの。 もちろんアソコは立派に自己主張してたわ」 「準備万端なのに・・・なんで入らなかったの?」 「『下心丸出しで、みっともない』っていう情け無い理由よ。 イラッときたから、抱きたいから混浴したんじゃないの!? ってその場で正座させて説教してやったわ」 「ローマらしいわね・・・で、結局セックスはしたの?」 「・・・したわよ。あの説教が効いて、お互い吹っ切れたの。 後は勢いに任せて体を重ね合ったわ」 「それで?それで?」 「もう・・・姉さんったら」 リットリオはローマが少々引くくらい目を輝かせてローマにその後を尋ねる。 「提督に風呂まで引っ張られてキスして、そのまま。 一つになった瞬間の事は、正直に言うと良く覚えていないの。 大分のぼせていたし。突き入れられる度にバシャバシャ水音を立てて 彼を抱きしめて、気持ち良過ぎて何がなんだか分からない状態だったわ。 でも、最後に私の名前を呼びながら中に出された時のあの感覚・・・ 心も体も限界まで満たされて、幸せで死ぬかもしれないって初めて思ったわ・・・」 全て語り終わる頃、ローマは満面の笑みだった。 「ローマの顔、とっても幸せそうな顔してるわ」 「ふふっ、今はね、彼と居るのが私にとって一番の喜び。 頼りない所もあるけど・・・日本に来て、提督に逢えて、本当に幸せよ。 他にもね、人気の無い所だったら、提督にジロジロ見られても 嫌では無くなったの。それでね、それでね・・・」 あの堅物のローマが、幸せに満ちた笑顔で語り続けている。 (心配する必要・・・無いみたいね) ローマの幸せを聞きながら、リットリオは願っていた。 妹の幸せが永遠に続きますように・・・と。 「これで私の話は終わり。さあ、次は姉さんの番よ」 さっきの惚気顔から一瞬で、いつもの冷静なローマの顔に戻る。 眼鏡も片手で「クイッ」と整えて。 遂に姉リットリオの惚気話が始まろうとしていた・・・。 リットリオの惚気話 16-817に続く。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/213.html
(編注:鬱?NTR?注意) 1 深夜。 普段、ほぼ眠るためだけにしか使っていない提督用の私室が、淫靡とも言える熱を宿しているのは、たった今終わったばかりの秘め事のせいだろう。 つい先刻まで二人が快楽の海に溺れていた事を、汗ばんだ裸体と乱れた寝具が雄弁に物語っていた。 御戻(おれ)提督は、多少の気だるさを感じながら、隣に横たわる榛名の頭を撫でてやる。 「提督……」 囁くように言いながら身をすり寄せてきた榛名を、御戻は優しく抱いた。 「……キスして欲しいです」 恥ずかしげに視線を逸らしながら、榛名はそうねだってくる。 接吻なら最中に数えるのも億劫になる程しただろうに――そう胸中で苦笑めいた呟きを漏らしながらも、 御戻は榛名のおとがいに軽く手を添え、桜色の可憐な唇に自らの唇を重ねた。 舌を忍ばせて絡めようかと思った矢先、あたかもそれを封じるかのように、榛名の温かくて柔らかい舌が御戻の口内に押し入って来る。 普段、どちらかと言えば控えめな彼女が見せた積極性が、 御戻にはたまらなく嬉しい。 「ん……んん……」 息継ぎもそこそこに、榛名は激しく舌を絡め、吸う。御戻も、それに応じる。 二人が唇を離したのは、それからたっぷりと一分程経ってからだった。 「……キスして欲しいじゃなくて、キスしたいの間違いじゃないのか?」 御戻は苦笑する。 「提督とキスできれば、榛名はどっちでもいいんです」 そう言って榛名は花のように笑った。海上で凛々しく戦う彼女の姿からは想像も出来ない、愛らしくて可憐な笑み。 その笑みを目の当たりにした御戻は、どうしようもなく愛おしさが募ってきて榛名を抱きしめた。 そして、以前より伝えようと思っていた言葉を、今ここで言おうと決心する。 「榛名」 御戻は名を呼び、背中に回していた腕をほどいて、彼女の目をじっと見つめた。 「次の出撃が終わったら……」 そこで御戻は一つ息をつくと、思い切って続ける。 「自分と結婚して欲しい」 その言葉を聞いた榛名の目が見開かれる。次いで小さな声で「嬉しい……」と榛名は言った。 「嬉しいです……提督」 「了承してくれたと思っていいんだね?」 「はいっ。もちろんです」 再び花のような笑みを浮かべると、榛名は御戻にしがみつき、胸に顔を埋めた。だが、すぐにその肩が小さく震え始める。 「どうした?」 訝しく思い、御戻は声を掛けた。 その言葉に顔を上げた榛名の瞳からは、大粒の涙が溢れ出ていた。 「嬉し……過ぎて……」 しゃくり上げながら、声にならない声で榛名は言い募る。 「それに私だけ……申しわけ……なくて」 海に散って行った三人の姉妹――金剛、比叡、霧島の事を思い出しているのだろう。 四人は血の繋がりはなかったものの、実の姉妹のように仲が良かった。 また同時に、助け合って戦場を駆け抜けてきた戦友でもあった。 「そんな風に考える必要はない、と自分は思うよ」 御戻は榛名の涙を拭ってやる。 「きっと彼女たちは、榛名が幸せになる事を喜んでくれる。妙な例え話しになるが、もし君が逆の立場だったらどうだろう? 幸せになろうとしている姉妹を妬ましく思うだろうか」 「そんな風には、絶対に思ったりしません」 目を腫らしながら、それでも榛名はきっぱりと言い切った。 「だろう? きっと彼女達だってそうさ。だから君は何も負い目を感じる必要はない」 「はい。でも」 「何だい?」 「提督、いじわるです……あんな質問をするなんて」 榛名がそう言って睨んでくる。だが、少しも怖くなく、むしろ可愛いだけであった。 「すまなかった。確かに意地の悪い質問をした」 「もう、知りませんっ」 拗ねて、ぷいと横を向く。だが、体は逃げていないので、これは本気で拗ねていない。明らかにポーズであった。 「どうしたら許してくれるのかな?」 「……」 榛名は答えない。仕方がないので、御戻は卑怯なカードを切ることにした。 「愛している」 唐突に、御戻はそう言った。すると横を向いていた榛名の顔が、みるみる赤くなった。 「榛名。こっちをお向き」 御戻のその言葉に、榛名は素直に従った。 「ずるいです……」 熱に浮かされたように言う榛名の目は、桃源郷にいるかのように、とろんとしていた。 「榛名がその言葉に弱いって、知っているくせに……」 「弱点を突くのは戦の定石だよ」 そう冗談めかして御戻は言うと、今度は榛名の耳に口を寄せ、「愛している」と囁いてみた。 「ああ……」 榛名が熱い吐息をつく。 「耳元でそんな事を言われたら、榛名はおかしくなってしまいます……」 御戻の胸に榛名が縋りついた。御戻を見上げてくる榛名の顔は、歓喜と、自分がおかしくなってしまうのではないかという、 ちょっとした恐怖感のようなものが綯交ぜになっていた。 そんな表情でさえ愛おしい――御戻はそう頭の中で呟くと、そのまま唇を重ねた。 そして、今度は先手を取られないように、すぐさま舌を榛名の口腔へと侵入させる。 舌と舌が絡みあうと、榛名の体が軽く痙攣したような動きを見せた。どうやら接吻だけで、軽くではあるが、達してしまったようだ。 「お願い……きて」 唇を離した榛名が哀願してくる。御戻は榛名の腿の間へ手を忍ばせてみた。先刻の名残というだけでは説明がつかない程、 榛名の秘所は潤いを帯びている。一方の御戻の方も、しっかりと復活していた。 「いくよ」 そう言って体を重ね、榛名の太腿を割り開き、ゆっくりと入って行く。榛名のそこはまるで抵抗を見せることなく、御戻を受け入れた。 「提督……離さないで」 榛名は御戻の背に両腕を回し、しがみつくようにしながら言う。 「ああ。絶対に離さない」 御戻も榛名を抱きしめながら、誓うようにそう言うのであった――この後、二人に何が起こるかなど露も知らぬままに。 その二週間後。 海軍は第二艦隊、第三艦隊、第四艦隊を沖ノ島海域に差し向ける。 御戻は巡洋戦艦『榛名』を旗艦とする第三艦隊の指揮を執った。 敵は戦艦ル級を多数擁する深海凄艦の中核艦隊。 開戦前より彼我の戦力差は憂慮されていたが、軍上層部はこれを敢行。結果、第二艦隊、第四艦隊はほぼ壊滅。 第三艦隊も旗艦榛名他数隻を残しただけという、完全なる敗北を喫した。 その後に行われた軍法会議により、御戻には降格処分が下った。軍上層部に責任をなすりつけられたのは間違いなかった。 そして更に理不尽なことに、榛名も責を問われた。 『艦娘』の地位を奪われ、別部署での任を課される事になったのだが、奇妙なのは、その部署の名前も場所も明かされない事であった。 軍法会議が終わるや否や榛名は連れて行かれ、二人は離れ離れになってしまった――。 2 御戻が榛名の行方を探し始めてから、すでに一月近くが経っていた。 方々手を尽くしてはみたが、彼女の行方は遥として知れない。 その日、御戻は朝から執務室――降格されたので数人の士官が共同で使っている部屋だが――にて、溜まりに溜まっていた書類の処理を行っていた。 この一月、榛名の事ばかりを考えていたので、職務が疎かになっていたのだ。 『提督。お仕事頑張って下さいね』 以前なら、榛名がそんな言葉を掛けて、にこやかな顔でお茶を入れてくれたりしたものだ。 だがその榛名も今はいない。彼女の存在がいかに大きく大切であったかを、御戻は噛みしめていた。 季節は夏前であるが、今の御戻の心は冬を迎えたかのような寒々しさを感じている。 「お~御戻チャン」 執務室に入ってきた同僚の小嶋が、歩み寄ってきながら軽い調子で声を掛けてくる。 「小嶋殿。おはようございます」 「おはよん。朝からセイが出るね~」 酒臭い息で言う。小嶋は無類の遊び好きで、ほぼ毎晩、歓楽街をうろついているらしい。ここの部署は出撃などはないのでだらしがないのである。 「小嶋殿も大分書類が溜まっているようですが」 御戻は隣にある小嶋のデスクを見ながら言った。そこには御戻の書類の束が可愛く見える程に、未処理の書類が積んである。 「明日から本気を出すのであります」 そう言って小嶋が敬礼をする。 「先週もそう仰ってましたよね」 「え? そうだっけ? そんな昔の事は忘れた」 しれっと小嶋は言ってのける。 「それよりさ、聞いてくれよ御戻チャン」 自分の椅子に腰かけながら、小嶋がそう切り出す。そして、御戻の返事を待たずに話し始めた。 「俺、昨夜さあ、吉原に行ったんよ」 「小嶋殿……!」 御戻は慌てる。 「声が大きいですよ。誰かに聞かれたらどうするんです?」 軍の規則で、士官の職にある者は遊郭で遊ぶ事を厳しく禁じられているのだ。もし発覚すれば即刻首が飛ぶ。 「あん? 大丈夫だよ……こんな窓際部署なんて、内部調査室の相手にされてないからさ」 「そうかも知れませんが……」 確かに小嶋の言う通り、ここは箸にも棒にもかからないような部署ではある。 「でさあ、めぼしい店は行き尽くしちゃったからさ、普段あんまり行かない所へ行ってみようと思ってね、裏通りの更に奥の方を散策してみたんよ」 「はあ」 飽きたなら行かなければいいのに、と御戻は思ったが、口には出さなかった。 「そしたらさ、変な名前の店、見つけちゃったんだよね」 「変な名前の店?」 「うん。『深海棲館』って言うの」 「え? シンカイセイカン?」 「そう。でも最後の字は艦――ふねじゃなくて、館ね」 御戻は眉根を寄せる。現在、この国と海上で戦っている敵対勢力の艦が、深海棲艦と呼ばれている。 そんな名前をつけるとは変わっているというか、良い根性をしているというか。不謹慎だという理由で、経営者がしょっ引かれてもおかしくはない。 「ね? 変わってるっしょ? それで、変わってるのは名前だけじゃなくてね。出てくる女の子が、海軍の艦娘みたいな恰好してるんよ」 「そういう趣向の店なのでしょう」 軍服等を模倣した服を着て性的遊戯をする、異国渡来の『こすぷれ』なるものがあると、御戻も話には聞いたことがある。 「まあ、そうなんだろうけど。でさ、店に入ったら従業員が名簿を見せてくれるんよ。そこには源氏名がずらっと書いてあってね。 で、女の子の顔見られないの、って聞いたら、皆とびきり可愛いからご心配なく、って言うんよ」 「はあ」 「まあ、地雷踏んでも話しのネタになるからいいか、って思ってさ。金剛って源氏名の娘を指名したんよ」 その名前を聞いた御戻の胸がちくりと痛む。 金剛。 榛名と実の姉妹同様の仲だった艦娘。そして、海に散って行った艦娘。 「何で金剛チャンを指名したかって言うとね、以前一度だけ、本当に偶々話した事があったからなんよ。 言葉使いは妙だったけど、可愛かったのを良く覚えている」 御戻も在りし日の金剛を思い出していた。ブリテン帰りの艦娘で、小嶋の言う通り少し妙な言葉使いをする娘であったが、 明るく美しい娘だった。御戻も何度か金剛と出撃した事があった。 「でさ、出てきた金剛チャンを見てびっくり」 「地雷だったんですか?」 「いや。本人そっくりだったんよ。ていうか、あれは本人だよ」 やや興奮しながら小嶋が言う。 「金剛は最後まで立派に戦って……海へ散りましたよ」 御戻はそう言って軽く目を閉じた。金剛が散った時の、泣きじゃくっていた榛名を思い出す。あの時の榛名は一晩中泣いていた。 「でもなあ、瞳の色とかホクロとか、まんま金剛チャンだったんだけどなあ」 小嶋はまだ言っている。 「残念ながら金剛は鬼籍入りしてます」 「……分かってるよぉ、本人だったら嬉しいなって夢見ただけだ。でもな、服はかなり本格的に似せて作ってあったぞ」 「はいはい」 「しかも、俺の事を提督って呼ぶんよー。客をそう呼ぶのが決まりなんだろうけど。でも俺、艦隊の指揮を執るのに憧れてたから、 提督って呼ばれてすげえ嬉しくなっちゃった。嬉し過ぎて調子にのっちゃって、四十六センチ主砲三回も金剛チャンの中に撃っちゃったんよ」 あなたの砲身そんなに長大じゃないでしょう――という突っ込みを思わず入れそうになった御戻だが、そこは自重しておいた。 やれやれ。朝からしようもない下の話に付きあわされた、と内心思う御戻だったが、次に発せられた小嶋の言葉には思わず耳を傾けてしまう。 「また今度行ってみようかな。そう言えば長門チャンとか榛名チャンの名前もあったぞ。 無論、指名してないから顔は分からんがな。さあて、仕方がないから仕事でもすっかな」 そう言って小嶋は、のろのろと書類の束をいじり始めた。一方の御戻は、小嶋の言葉のせいで気もそぞろになってしまった。 榛名の名前がある? その榛名も、本人にそっくりなのだろうか――ふと、そんな思いが過る。 何を馬鹿な事を考えている、と御戻は心の中で自分を叱った。もし『深海棲館』の榛名が本人にそっくりだとして、それが一体何だと言うのだ? そこにいるのは榛名ではない。榛名がそんな、見知らぬ男と同衾するような店にいる筈がない。 榛名。君は今、何処にいるんだい? たまらなく君に会いたいよ。 窓の外を見やりながら、御戻はそう頭の中で呟いた。 3 誰の人生でも、一度や二度、魔が差す時というのはあるものだ。 御戻に関して言えば、今夜がまさにその状態だった。 小嶋から深海棲館の話を聞いてから三日後の夜、御戻は吉原にいた。この国最大の遊郭を訪れたのは初めてだった。 自分はこんな所で、一体何をしているのだろう――吉原の通りを歩きながら、御戻はそう胸中で呟き、深く被った帽子を更に下げる。 通りは中々に人が多かった。皆、道の左右に並んだ張見世を冷やかしながら、ゆるりゆるりと歩いている。 張見世とは通りに面した部屋の事で、通りとの間は格子で仕切られている。そしてその中では遊女達が座し、自分を買ってくれる旦那を待っている。 客は通りから格子の向こうにいる女を吟味し、気に入れば店に入って褥を共にする。 榛名もそんな風に出会ってすぐの男と……などと埒もない想像をしてしまいそうになり、御戻は慌てて頭を振ってそれを打ち消す。 そんな事はない。榛名はそんな事をする娘ではない。 第一、深海棲館にいるらしい榛名は、御戻の愛しい榛名とは別人なのだ。 では何故、そう思っていながら自分はわざわざ吉原に来ているのか。小嶋の言った事など、戯言として捨て置けば良いはずではないか。 いや、取るに足らない事であるからこそ、きっちりと確認を取っておいた方がいいのだ。絶対にそうなのだ。 そんな支離滅裂な事を考えながら、御戻は表通りから裏通りへと入る。 裏通りに入った途端、先程までの喧騒が嘘のように途絶える。表通りを太陽の差す浅瀬のサンゴ礁とするなら、裏通りはさながら深海のような印象だった。 深海棲館がある場所へと御戻は進む。場所は、数日がかりで小嶋からそれとなく聞き出してあった。 やがて、門柱に住吉提灯の掛けられた店が見えて来た。提灯には小さく「深海棲館」と書かれていた。 表通りに軒を連ねている店のようなけば立った派手さとは無縁で、当然のことながら張見世もない。 小洒落た旅館のような雰囲気で、一見すると色里の店には見えなかった。 御戻は左右を見渡し、誰もいないのを確認すると素早く店の中へと入った。 「いらっしゃいませ」 店に入ると、見世番の男に声を掛けられた。 「御履き物をお預かりします」 そう言われたので、靴を脱いで御戻は店に上がる。男に促されて進み、奥の部屋に入る。 入った部屋は、舶来物の高級そうな調度品が設えてあった。他に客と思しき者はいない。御戻はソファに腰を降ろす。 「しばらくお待ち下さい」 男がじろじろと御戻の顔を見ながらそう言い、部屋を出ていった。 一人きりになった御戻は、落ち着かなくてそわそわしてしまう。ここに榛名が――などと考えそうになって、慌てて頭を振る。 違う。 ここにいる榛名は、御戻の愛する榛名ではなく、良く似た他人だ。 御戻が煩悶していると、「失礼いたします」という声がして、男が一人入ってきた。ここへ案内して来た男とは違う男であった。 「旦那。自分は鷹野と申します」 男が唐突に自己紹介をする。 「何か?」 わざわざ名乗ってきた男の意図が分からないまま、御戻は彼を見た。精悍な顔立ちに黒い半纏が良く似合っていた。 醸し出す雰囲気が、単なる見世番でない事を御戻に伝えてくる。 「困るんですよ」 「……困るとは?」 「海軍の軍人さんに来られると、こっちも色々と面倒だって事です」 御戻は言葉を失った。 「いや、自分は――」 「誤魔化しは要りません。ここの店はちいとばかり特殊でね。他所の店より、海軍さんの出入りに関しては神経質にやってるんです。 あなたが御戻提督だという事は、もう分かっていますよ」 鷹野が目を細める。 「いや、元提督か」 半ば嘲るように鷹野は言い直した。 「……」 「先日も海軍のお方が来ましたがね」 おそらく小嶋の事だろう、と御戻は思った。 「まあ、こう言っちゃなんだが、あの御人程度の方なら別に構わないんですが。だがね、仮にも旦那は提督とまで呼ばれる地位にいたお方だ。 そういうお方に来られると、こちらとしても本当に困るんですよ」 「自分は……自分は、ここへ遊びに来たのではない」 そうだ。自分は、ここにいると思しき榛名が、本人ではないとの確証を得るためにやってきただけなのだ。断じて金を払って女を買うために来たのではない。 「ここは遊郭ですぜ? 遊びに来たんじゃないってんなら、何をしに来たってんです?」 再び嘲るような口調で鷹野は言った。 御戻は何と言って良いか分からず、つい自分の目的を正直に話してしまった。話しながら、考えてみれば随分とおかしな話だと自分でも思った。 話を聞き終えた鷹野は、値踏みするかのように御戻を見た。何やら思案しているらしく、顎をしきりにいじっている。 「旦那も変わったお人ですね」 しばらくすると、苦笑しながら鷹野は言った。 「まあ、こちらとしても、せっかく来ていただいた方を無碍に帰すのは心苦しい。 例えそれが、面倒事になるかも知れない海軍の軍人さんでも、ね。 ただ、やはり決まりは決まりだ。娘達に相手をさせる事は出来ませんし、 相手をする以外での面会は店の規則で禁じられています。ですが……」 鷹野の目が、少しだけ嗜虐的になったように見えたのは、御戻の気のせいだろうか。 「手がない訳じゃあない。但し、料金はきっちりと頂きますが」 「本当か?」 鷹野の言葉を聞いて、御戻は思わず身を乗り出す。これでやっと榛名に会え――いや、違う。そうじゃない。 ここの榛名は榛名ではないのだ。これで榛名ではないと確認が出来るのだ。 「もう一度お聞きしますが、旦那は確かめたいだけなんですよね? 買いたい訳ではなく」 「その通りだ。自分はあくまで、ここにいる榛名が別人であると確認をしに来ただけなのだから」 「分かりました。しばらくお待ち下さい」 そう言うと、鷹野は一旦部屋を出ていった。 「お待たせいたしました。ご案内します。ついてきて下さい」 五分程して戻ってきた鷹野が、御戻に向かってそう言った。御戻は鷹野について部屋を出た。 しばらく廊下を進むと、鷹野はとある部屋に入った。部屋には畳が二枚敷いてあり、明かりは天井から下がった 裸電球が弱々しくついているだけである。調度品の類は、入って左手の壁にカーテンが引かれているだけで、他には何もない。 まるで座敷牢のようだな、と御戻は思った。 「ここは?」 畳の上に座りながら訊ねるが、鷹野はそれには答えず、 「海軍法の条文には『遊郭で女と遊ぶ事を禁じる』という文言があります」 と、いきなり言い出した。 「それは知っている」 「これは故意なのか、それとも条文を作った奴がアホなのか……まあ、いずれにせよ穴だらけの文言ですよね」 御戻には鷹野の言葉の意図が分からない。 「だから、それが一体どうしたと――」 「遊郭に立ち入るのを禁ずるという文言でもなければ、更に、娘達を見る事を禁じるという文言でもない訳ですね」 「……どういう意味だ?」 「旦那も察しが悪いですねえ。こういう事ですよ」 にやりと鷹野は笑うとカーテンを開けた。そこには窓があった。窓の向こうを見て御戻は絶句した。 そこに広がっていたのは、外の風景などではなく、隣の部屋の様子だった。 部屋の中央にはベッドが置かれ、その上に裸の男と、見覚えのある服を着た娘がいた。 神社の巫女のような上着。フリルのついた丈の短いスカート。膝上まである黒く長い靴下――金剛型の艦を駆る娘の制服と瓜二つだった。 「驚かれましたか? この窓は舶来物の特殊な窓でね。こちら側から向こうは見えるが、向こう側からは鏡になっていてこちらは見えないんです」 鷹野がそんな説明をするが、御戻の耳には届いていなかった。 裸の男は、こちら側に向けて足を拡げ、横になっている。制服を着た娘は、拡げた男の足の間に入るようにして、四つん這いになっていた。 お尻をこちらへ向けているので、娘の顔は御戻達からは見えない。 まさか……榛名……榛名なのか!? 御戻は胸中で叫んだ。 男の手が娘の頭に乗せられている。 娘の頭はゆっくりと上下している。 口で奉仕しているのは、明らかだった。 顔が見えないもどかしさに、御戻は膝の上できつく拳を握る。 「あらま。顔が見えない。これじゃあ確認が出来ないですね?」 声を抑えつつも、鷹野は実に楽しそうに言う。明らかに煩悶する御戻を見て楽しんでいる。 「ああ~気持ちいいよ~」 突然、窓の向こうにいる男の声が聞こえて来た。 「壁も作りが凝ってましてね。向こう側の声はきっちりと通すが、こちら側の声はまったく通さないんです。何なら試してみます? 榛名、こっちをお向き……とか何とか言って。まあ、聞こえませんけれどね」 嗜虐的に鷹野は言うと、くつくつと笑った。 そうこうしている内に、上下していた娘の頭が止まった。 娘が四つん這いを止め、男の隣に移動して、ころんと横になる。 その拍子に顔がこちらを向いた。 御戻が、あっと小さく声を上げたのとほぼ同時に、 「提督の主砲、とっても大きいデース」 と言う娘の声が聞こえてきた。 「あら残念。金剛でしたね」 鷹野がそう言ってニヤニヤする。 御戻は、大きく息をついた。窓の向こうにいる娘は榛名ではなかった。とりあえず御戻は胸を撫で下ろした。 「そ、そうかい? 僕の、そんなに大きいかい?」 「YES! まるで超弩級戦艦並ネー。こんなので撃ち抜かれたら、金剛は轟沈しちゃいマース」 そう金剛は言うと、男根を愛しそうに撫でる。 「そ、そうかー。轟沈かー。よーし、提督頑張って、金剛ちゃんを轟沈させちゃうぞ~」 「ふふ。金剛も負けませんヨ~」 そんな会話を交わす金剛を、御戻はじっと見つめた。 「……似ている」 「似てる?」 鷹野が失笑する。 「ああ。彼女は艦娘だった金剛に似すぎている」 「本人ですよ」 鷹野が言う。顔が笑っていなかった。 「馬鹿な事を。金剛は敵に敗れて海に沈んだ」 そう。金剛は海に散った。散って行った金剛を偲んで、榛名は一晩中泣いたのだ。 「潜水艦娘ってのがいるでしょう? それに助けられたらしいですよ、金剛は」 「まさか……そんな」 「やれやれ。提督だったくせに、何にも知らないんですね」 呆れたような口調で鷹野は言った。 「敗れて沈んだ艦娘は大抵が溺死します。だが、助かる者もいるんですよ。そして、死なずに助けられた娘や、 艦を修繕不能にしてしまった娘はこういった場所へ送られます。『再利用』という名目でね。 吉原だけではありません。北は北海道のすすきのから、南は福岡の中州まで、全国津々浦々です」 淡々と鷹野は説明する。 「信じられないって顔をなさってますね? 残念ながら、これが現実なんです。艦から堕ちた娘達のね。 ちなみに、彼女らが客を取って稼いだ金のほとんどは海軍が持っていきます。お国の大事な艦を潰した償いをしてもらう、というお題目のもとにね。 ですがね、考えてもみて下さい。艦を建造出来るような金を、単なる娘っ子一人が稼げると思いますか? そんなの来世、いや、来々世までかかったって無理に決まっている」 「ひどい……」 御戻は愕然とする。そんな事は、まったく知らなかった。 「あんたら提督が、無能なせいだろうが」 鷹野が御戻を睨み付ける。 「娘達から色々な提督がいると聞きましたぜ? ろくに補給もさせずに延々とタンカー護衛任務を押し付ける提督。 艦が轟沈寸前なのに、ドックにも入れてやらず連続で戦闘を強いる提督。 気に入らない艦娘が配属されると、問答無用で艦を解体して、 鎮守府には轟沈しましたと虚偽の報告をする提督――人間の屑の見本市か何かですか? 海軍って所は。 そんな事をしていたら、轟沈したり修繕不能になったりするに決まっているだろうが。 提督ってのは、艦娘達に対してどんな扱いをしても許されるのか?」 「そんなことは……」 ない、と言おうとした御戻だったが、言葉が出てこなかった。 「でもね、そんな話を聞かせてくれた娘達の誰一人として、提督に対する恨み節なんか言わなかった。 どの娘も、任務だから仕方がないって明るく言うんですよ」 相変わらず鷹野は御戻を睨んでいる。 「艦娘達は気高い。自分達が艦娘である事に誇りを持っているから、アホな提督の理不尽な指揮にも笑顔で耐える。 そして笑顔で耐えに耐えて、最後は轟沈して溺れ死ぬか、こんな所へ送られて、見ず知らずの男に股を開くという屈辱を与えられる――何なんだ、この理不尽は。 あんたらはそんな彼女達に対して、何か一つでも報いてやっていたか?」 「……」 自分はそんな提督達とは違う、と御戻は思いたかった。だが、今の自分にはそう言いきれるだけの自信がなかった。 どんな苦しい時でも、忠実に命令に従ってくれていた艦娘達に、自分は何か返してあげることが出来ていただろうか。 「……と、まあ、こんな事を旦那に言っても仕方がないんですがね。柄にもなく熱くなっちまった。どうもすみません。失礼いたしました」 鷹野がそう言って慇懃に頭を下げる。 「お詫びに今回の入室料はいただきません。ここにいる榛名が、本物かどうかの『確認』も出来ませんでしたしね。 ちなみにここの榛名は、まだ入郭したばかりで客を取った事がありません。でも、その日が来たら旦那に連絡しますよ。いの一番にね。 ちゃんと『確認』に来て下さいよ? とりあえず今晩は、金剛の勇姿を最後まで見てやって下さい」 「いや、自分は――」 帰る、と言おうとした御戻を、鷹野がぴしゃりと遮る。 「いや。最後までご覧下さい。金剛がここへ堕ちた原因が、少なからず自分にもあると噛みしめながら、ね」 そう言うと、鷹野は扉を閉めた。慌てて御戻は扉に取りつくが、外から鍵を掛けられたらしく、開かなかった。 「Oh……提督ぅ、そこは駄目デース」 自分が呼ばれたような気になって、御戻は思わず窓の方に目を向けた。 男が金剛の腋を舐めているのが見えた。 金剛型制服の上着は、通気性と動きやすさを確保するため、脇下に大きなスリットが入っている。 その無防備な腋へ、樹液にたかる甲虫のように男が取りついていた。 「こ、金剛ちゃんの腋、硝煙の匂いがするね」 「ア~ンビリーバボー! しっかり洗ったのに。金剛チョ~恥ずかしいデース」 「HAHAHA。イッツ・メリケン・ジョーク。ウィットに富んだ軽いジョークさ。大丈夫、硝煙の匂いなんてしないよ。 金剛ちゃんの腋、とってもいい匂いだよ。桃の香りみたいだよ。んん~たまらん」 男が舐める速度を上げると、金剛の頬が桜色に染まってゆく。 「ああ……提督」 「んふんふ。ここ、弱いんだね?」 「YES……デース」 とろん、とした目で金剛が答える。それを聞いて調子づいたのか、男は金剛に万歳をするような恰好を取らせた。 両腕を頭の上の方に持っていかれたせいで、白い両の腋が男の前に晒される。 男がまず右の腋から舐める。数回舐めてから左へ移る。そこでやはり数回舐めてから、再度右の腋へ――男の頭が金剛の両腋の間をせわしなく行ったり来たりする。 それにつられるかのように、金剛の嬌声も大きくなってゆく。 「ああ……ああっ……提督っ! 提督っ!」 「金剛ちゃん金剛ちゃん!」 「ああ……もう、金剛の大事なトコロ……浸水しちゃってマース!」 「え? 腋をペロペロしているだけなのに?」 男が舐めるのを止めて、笑いながら訊ねる。 「どれどれ……わあ、本当だ。これはマズイ。総員避難っ。繰り返す、総員避難っ」 「提督っ……提督の高速修復剤で、早く浸水箇所を修繕してくだサーイ」 御戻の目の前で繰り広げられる、客と金剛のしようもない茶番。 これが、あの金剛だというのか。 凛々しさも、気高さも、艦娘としての尊厳を根こそぎ奪われた金剛の姿に、御戻は体から力が抜けてゆくのを感じた。 「金剛ちゃん、上になってくれるかな? ぼ、僕は騎乗位が、す、好きなんだな」 「cowgirl positionネー。aye,aye, sir!」 そう言って金剛は身を起こした。そして制服はそのままに、下着だけを外して寝そべった男の上に跨ろうとする。 「あ、僕の方じゃなくて、鏡の方を向いてもらってもいいですか?」 「いいデスヨー……って、提督~。これじゃインしてるトコ、鏡に映ってまる見えネー」 金剛と御戻の目が合う。 向こう側から見えてはいないとは言え、体に力が入ってしまう。 金剛が自分の秘所に男根をあてがい、ゆっくりと腰を沈めてゆく。スカートをたくし上げているので、 金剛が男をのみ込んでゆく様がはっきりと見て取れた。窓越しに見える金剛のそこは、水音が聞こえてきそうな程に潤んでいた。 「ああ……」 目を閉じ、軽く眉根を寄せ、金剛が感じ入るような声を出す。しっかりと男根を根本まで咥え込むと、再び腰を浮かす。 そして、抜けない程度の所まで来ると、再び腰を沈める。 見てはいけない――頭では分かっていたが、御戻は視線を反らす事が出来なかった。 金剛の腰の動きが、徐々に速くなる。擦れ合う秘所と男根が、粘着質な、ひどくはしたない音を紡ぎ出し、そこへ金剛の嬌声が重なる。 「ああ……! 提督、提督っ……」 「おお……金剛ちゃんの艦隊運動すごすぎぃ! ごめん、もう無理っ。果てるっ……!」 男の睾丸が随分とせり上がっている。本人の言葉通り、今すぐにでも射精しそうであった。 「提督、いつでもComingネー!!」 「ああっ、金剛ちゃーーーーーーーーーーん!」 金剛の名を長く叫びながら、男は放精した。 男が果てると、金剛は腰を浮かして男根を解放した。そしてベッドの上に膝をつくと、左手でスカートをたくし上げ、 空いた右手を下腹部へ伸ばし、膣内に放出された精を掻きだした。 「ふふ……すごい量デース……」 そう言いながら秘所より抜いた右手には、大量の白い液体が絡みついている。 金剛はそれをうっとりとした表情で眺めると、おもむろに唇を寄せた。 「提督……金剛の本気、どうでしたカ……?」 濡れ光る舌で、愛液と精液が混じり合ったものを舐めとりながら、金剛が妖しく微笑む。 御戻は、窓越しに向けられる金剛の笑みを前に、身動きひとつ出来なかった。 4 二日経っても、御戻の頭の中には、金剛の痴態が色鮮やかに残っていた。 そのせいで、書類の処理がまた滞ってしまった。一日中机に噛り付いていたが、 仕事に集中しようとすると、深海棲館での金剛が浮かんできてしまってまったく進まなかった。 額に浮かぶ珠のような汗。 桜色に染まった頬。 男を貪欲に飲み込んでいた秘所。 終わった後の、男女液を舐めていた淫蕩な目つき――と、そこまで思い起こして、御戻は自分の頬を平手で張った。 何を考えている。金剛のしどけない姿を思い出している場合か。 大体、榛名の事を確認しにいった筈なのに、お前は何をやっているんだ――そう、胸中で自分を叱り付ける。 「御戻チャン、どしたんよ? いきなり自分の頬引っぱたいたりして」 隣に座っていた小嶋が、不思議そうな顔で御戻を見ていた。 「蚊でも居たんか?」 「あ、いえ。ちょっと眠気を覚まそうと思って」 「眠いなら眠っちゃえばいいのに」 不思議そうな顔で小嶋は言う。確かにしょっちゅう舟を漕いでいる小嶋にしたら、そう思うのだろう。 「お。もう定時だ」 壁にかけられた時計を見て、小嶋が立ち上がった。 「じゃあ、俺はこれで帰るわ。御戻チャンもほどほどにね」 「お疲れ様です」 「お疲れ~。よおーし、今晩も遊ぶぞー!」 小嶋はそう言いながら、執務室を出ていった。 御戻は背もたれに身を預け、目を閉じた。しばらくすると、軽い眠気が訪れる。 小嶋の言葉に従った訳ではないが、御戻は逆らう事なく眠りに落ちた。 しばらくの後。 ジジジジジ……という、非常に歯切れの悪い呼び出し鈴の音で、御戻は起こされた。 壁掛け時計を見ると、小嶋が出て行ってから一時間程経っていた。 呼び出し鈴の音はまだ続いている。音は机の上にある旧式の電話から出ている。ここの部署は予算の割り当てが少ないので、 調子の悪い電話機をずっと使わされているのだ。御戻は身を起こして、受話器を取った。 「はい。御戻ですが」 「御戻殿ですか。こちら交換台です。御戻殿宛てに、鷹野さんという方から電話が入っています」 鷹野という名前を聞いて、御戻の心臓が大きく跳ね上がる。 「繋ぎますか?」 「……繋いでくれ」 「はい。では繋ぎます」 御戻は大きく息をついた。 「もしもし」 「旦那。鷹野です」 「ああ……先日はどうも」 「いえいえ。こちらこそ。その節は大変な失礼をいたしました」 電話の向こうの鷹野が慇懃に言う。謝りながらもニヤニヤしているに違いない、と御戻は思った。 「で、用件は?」 用件など分かっている。心臓はかなりの速さで鼓動している。だが、平静を装って御戻はそう切り出した。 「はは、そう来ますか。もしかして、どなたか周囲にいらっしゃる?」 「いや。そうではないが」 「じゃあ、虚勢ってやつですかね……まあ、どうでもいいですが。今日『確認』出来ますよ?」 更に心臓の鼓動が跳ね上がる。 「もしいらっしゃるなら、今日は裏口の方から入って来て下さいね。旦那が来た事がお客人にばれると、色々と面倒になりますから。 さて、後は旦那にお任せいたします。来るも来ないも、お好きにどうぞ。それじゃ」 そう鷹野は言うと電話を切った。 御戻は受話器を戻す。酷く手が震えている。とうとう『確認』出来る時がやって来たのだ。 深海棲館の榛名が、御戻の榛名ではないことを確認出来る。 艦から堕ちた娘達は色里に送られるなどと鷹野は言っていたが、それが本当である証拠は何処にもないのだ。 先日御戻が見た金剛も、瓜二つの他人に違いない。そうに違いない。良く言うではないか。世の中には自分とそっくりな人間が三人はいると。 御戻が見た金剛は、きっとそういった類の良く似た他人なのだ。 御戻は更衣室に行き、制服から普段着に着替えると、榛名が榛名ではない事を確認するため、足早に深海棲館へ向かった。 ※ 深海棲館に着くと、電話で言われた通りに裏口から店に入る。 「お待ちしておりましたよ、旦那」 裏口から入ると、鷹野が上り框に腰を掛けていた。間違いなく御戻が来ると踏んでいたのだろう。実に楽しそうに御戻の顔を見る。 「確認をしに来た」 確認を、の部分を御戻は強調する。 「それはもう。では、ご案内します」 鷹野の先導で廊下を進み、先日の部屋に入る。御戻が畳に腰を下ろすと、 「では、ご確認を」 と鷹野が言って、カーテンに手を掛けた。 御戻の心臓が、走っている時のような速さで鼓動を始める。 やがて、カーテンが開けられ、隣の部屋の様子が窓の向こうに見えた。 金剛型用の制服を着た娘が、ベッドの縁に腰を掛けて、こちらを向いて座っていた。落ち着かないのか、しきりに自分の髪を弄っている。 「あ、ああ……」 御戻の口から、思わず声が漏れる。 「まだお客様が入室してないんですよ。で、どうです旦那? ご確認の程は」 鷹野の言葉には応じず、御戻は窓の向こうにいる娘を食い入るように見ていた。つややかな長い黒髪に、愛らしい顔立ち。 その髪に、頬に、唇に数え切れない程触れた。だから、見間違えるはずなどない。 榛名――だ。この娘は、自分の愛しい榛名本人だ。やはり、鷹野が言っていた事は本当だったのだ……。 「ご確認出来たようですね……ああ、お客様が入室されましたよ?」 鷹野がそう言い、促されるようにして御戻は隣の部屋のドアへ目を向けた。 「な……!?」 入って来た客を見て、御戻は絶句する。 「ああ、先日もいらっしゃった海軍さんですね」 入って来たのは、小嶋だった。 「もしかして、お知り合いですか?」 御戻はただ呆然としていた。何故だ……何故、小嶋がここに居る……榛名に何をする気だ……。 「どうやらお知り合いみたいですね。では、ごゆっくりどうぞ」 鷹野はそう言うと、くつくつと忍び笑いを漏らしながら部屋を出て行った。 「あ、あの、榛名です。不束者ですが、どうぞよろしくお願いします!」 榛名がベッドから立ち上がり、ぺこりと頭を下げる。 「いいねー。榛名ちゃん、すごく可愛いね」 「そんな……」 榛名が戸惑ったような顔をする。 「いやいやホントに可愛いよ~。よく言われるでしょ? 可愛いって」 「いえ……言われたことないです……」 確かに御戻は、榛名の事を可愛いと言った事はなかった。誇り高き艦娘に対して、可愛いと言うのは失礼だと思ったからだ。 「そうなの? 周りの男は何をやっていたんだ。けしからんな」 小嶋はそう言うと、榛名を抱き締めた。 「あ……提督……」 御戻は自分の事を呼ばれたと思い、ぴくりと体を震わせた。だが、今、提督と呼ばれているのは、自分ではない。あくまで小嶋なのだ。 「ん……んん……」 榛名の唇が塞がれる。その様を目の当たりにして、御戻の全身から力が抜けた。 「榛名チャン……」 小嶋が唇を離して名を呼ぶ。 「榛名、と呼んで下さい。提督」 榛名がそう言うと、小嶋は黙って頷いた。 小嶋が榛名をベッドへと促す。寝具の上に横になった二人は、再び唇を重ねた。そして、舌を絡めあう。その最中、榛名の身体は幾度か震えた。 「……榛名はキスが好きなんだ?」 唇を離した小嶋が、そう尋ねる。 「……」 榛名は少しだけ熱に浮かされたような顔で小嶋を見る。言葉にして返事こそしなかったが、それは「はい」と答えたのと同義だった。 何故だ榛名――御戻は胸中で叫ぶ。どうして今さっき会ったばかりの男に、そんな表情を見せる? いや、それ以前に出会って一分程の男と、何故、舌を絡める接吻などするんだ!? 「そうか~。じゃあ、ここはどうかな~?」 そう小嶋は言うと、今度は榛名の耳を甘噛みする。 「ひゃん!?」 御戻が聞いた事のないような声を榛名は上げた。榛名もあんな声を上げる事があるのか。 「あ……駄目……。提督……榛名は変になってしまいそうです」 「いいよ、変になっても。榛名が変になるとこ、見てみたいな」 小嶋はそんな事を言いながら、自身の唇を、首筋、肩口、鎖骨と順に這わせてゆく。 「あっ……! そこは駄目です、提督!」 小嶋の舌が腋に辿り着くと、榛名は慌てたように言った。 「なんで?」 「汗をかいていますから……」 「全然匂わないって。むしろ、いい匂いがする」 制服の脇下に開いたスリットへ小嶋は顔を突っ込むと、牛乳を飲む小猫のように、榛名の腋を舐め始める。 「提督……恥ずかしいです……」 「でも、気持ちいいんじゃないの?」 「……」 「あ、黙った。気持ちいいんだ? 榛名は腋を舐められると、恥ずかしいけれど、とっても気持ちよくなっちゃうんだ?」 「もうっ……知りませんっ」 ぷい、と榛名は顔を背ける。拗ねたような、甘えたような、そんな声と仕草。あの声と仕草は自分だけのものではなかったのか――御戻は拳を握る。 「可愛いな~」 小嶋はそう言うと、こんどは榛名の上着の前をはだけさせる。下には何もつけておらず、形の良い乳房が顔を覗かせた。 「綺麗なおっぱいしてるね」 片手で優しく乳房に触れながら、小嶋は再び榛名の腋に舌を這わせた。同時に与えられる二つの刺激に、榛名の桜色の乳首がみるみる硬くなってゆく。小嶋の指先がそこへ触れると、榛名はぴくんと肩を震わせた。 その反応を確認した小嶋は、今度は人差し指と中指の間に乳首を挟みこみ、ゆっくり小さく円を描くように動かした。その刺激に、榛名は大きく身を捩る。 「感度、いいんだ?」 「そんなこと……榛名には、分かりません」 唇と舌に乳首が捉えられると、榛名は「ああ……」とまるで感に堪えないような声を洩らし、小嶋の頭を両腕でかき抱いた。 「ああ……だめ……だめ……あぅっ!?」 小嶋の手が、榛名のスカートの中をまさぐる。 「榛名。もうこんなになってるよ?」 少し意地悪く言いながらスカートから手を抜くと、小嶋は見せつけるように榛名の目の前へ指を持ってゆく。愛液に塗れた人差し指と中指を広げると、何本もの糸が引かれた。榛名が恥じるように視線を反らす。 「俺のもさ、もうこんなになっちゃってるんだけど」 小嶋は榛名の手を掴むと、ズボンへと導く。前が大きくテントを張っている。 「苦しそう……」 膨らんだ箇所を、榛名は恐る恐る撫でた。 「うん。苦しい。解放して欲しいな」 「はい、提督」 榛名はそう言うと、小嶋のズボンを脱がせた。そして、お目見えした小嶋の一物に、榛名は目を見張った。 「……大きい」 確かに小嶋の男性自身は逞しかった。御戻の1.5倍近くはあるかも知れなかった。 この後、あれが榛名に押し入るというのか――御戻の顔が歪む。 「そうかな? 大きいの?」 「多分……」 「ふーん。誰と比べて?」 「……」 小嶋の問いに、榛名は困ったように黙ってしまう。そして、暫く沈黙した後に、突然、顔を覆って泣き出してしまった。 「あーごめんごめん。あまりにも下品で、意地の悪い質問だった」 慌てて小嶋が謝罪する。 「ごめんなさい……」 「俺の方こそごめんな? ひどい事聞いて」 「本当にごめんなさい……。忘れよう、忘れようって思っていたのに……でもやっぱり忘れられなくて。あの人のこと、やっぱり忘れられないんです……」 榛名のその言葉に、御戻は愕然とする。 「……大切な人がいたんだな?」 小嶋のその言葉に、榛名は何度も何度も頷いた。 「でも、これが運命なら、受け入れます……」 泣き腫らした顔で、それでも榛名は精一杯微笑んでみせる。 その笑顔が御戻の心を抉った。 そして、御戻の中のもう一人の御戻が問いかけて来る――お前はこんな所で何をしているんだ? こんな覗き魔のような真似をしている時じゃないだろう? 今、お前がやるべき事は一体何だ? 愛しているんだろう? 榛名を。 榛名と出会った時の事から、離れ離れになってしまった時の事までが、まるで走馬灯のように御戻の頭の中を駆け巡る。 笑っている榛名。 少し怒っている榛名。 恥ずかしそうに甘えてくる榛名。 軽く拗ねている榛名。 泣いている榛名。 どの榛名も、自分の命よりも大事なものだ。 御戻の中で何かが弾ける。 御戻は立ち上がると、あらん限りの力で窓を殴った。大きな音が響き渡り、何事かと驚いた榛名と小嶋がこちらを向く。 御戻は何度も何度も窓を殴った。途中から皮が破れて血が出始めたが、構わずに殴り続けた。 やがて、窓は派手な音を立てて割れた。御戻は、残ったガラスを蹴破り、隣の部屋に入った。 「提督!?」 「御戻チャン!?」 窓から侵入してきた御戻を見て、榛名と小嶋が同時に叫ぶ。 「榛名。行くぞ」 御戻は唖然としている榛名の腕を掴んで立たせた。 「お、おい御戻チャン、これは一体どういう事だ!?」 「すみません小嶋殿。榛名は私の命なんです。他の誰にも渡さない」 訳が分からないという顔をしている小嶋に、御戻は頭を下げる。 「短い間でしたが、お世話になりました。それでは」 そう御戻は言うと、榛名の手を引いて、部屋を出た。 5 外はいつの間にか篠突くような雨が降っていた。 騒動を聞きつけた深海棲館の従業員達が追ってきたが、激しい雨のお蔭で撒く事が出来た。 御戻と榛名は息の続く限り走り続けた。 やがて二人は、海の見える丘に辿りついた。いつの間にか雨は止み、月明かりが煌々と地上を照らし出していた。 遠くに灯のともった港が見える――かつて二人が過ごした鎮守府の港だ。 「あそこでの日々が、ひどく昔の事のように思えますね……」 榛名が港に目を向けながら言う。 「そうだな。たかだか一月程前の事なのに」 御戻も港に目を向けながら頷いた。 「提督……」 榛名が御戻の腕を取り、身を寄せる。 「ありがとうございます……榛名なんかのために。とても嬉しかったです」 「いや。本当にすまなかった」 榛名の肩を抱きながら、御戻は小さく言う。 「自分が至らなかったばかりに、君をひどい目に会わせた」 「う……わ、私……」 榛名の声が急に涙混じりになる。 「ごめんなさい……わ、私、他の男の人と……。軽蔑しますよね。こんな穢れた女なんて……」 「そういう事を言うものではない。榛名は穢れてなどいない。綺麗なままだよ」 「……提督!」 榛名が御戻にむしゃぶりつく。突然の事だったので、御戻はバランスを崩してしまう。 榛名が上になるようにして、二人は草むらの上に倒れ込んだ。 「ん……提……督……んん……提督っ、提督っ……!」 榛名が荒々しいとも言える動きで、御戻の唇に自らの唇を重ねる。その頬は涙に濡れていた。 「会いたかった……! ずっとずっと、会いたかった! 私、怖くて、淋しくて……!」 御戻の唇を解放し、榛名は言い募る。御戻はそんな榛名の頬を優しく撫でた。 「自分もずっと会いたかったよ、榛名」 「……提督ぅ、提督ぅぅ、提督ぅぅぅ!」 まるで幼子が駄々をこねるように、榛名は御戻の胸に顔を押し当てる。 そんな榛名を、御戻は優しく、まるでこの世に二つとない宝物へ触れるようにして抱いた。 しばらくの間、二人は溶け合うように抱き合い、互いの温もりを確かめ合った。 「あの……提督……」 やがて榛名が顔を上げて、おずおずと切り出す。 「何だい?」 「その、こんな時に……こんな場所で……自分でも、はしたないと思うのですけれど……」 「うん?」 「抱いて欲しいんです。提督に」 月明かりしか光源がないので明確には見えないが、榛名が頬を染めているであろう事は想像に難くない。 御戻は何も言わず、そっと榛名の唇を塞いだ。すぐに榛名の舌が入ってきて、貪欲とも言える程の動きで御戻の舌を絡め取る。 榛名の身体が痙攣するような動きを見せた。接吻だけで、すでに達しているらしかった。 唇を合わせたまま、御戻は榛名の様々な部分に触れる。指先が触れる度に、榛名はどうしようもないといった感じで激しく身を捩った。 「あ、ああ……」 唇を離すと、榛名がまるで瘧に罹ったかのように震える声を出した。 「か、感じ……すぎ……て、お、おかしく……なりそうです……」 「榛名。愛している」 そう御戻が言うと、榛名は滂沱と涙を流しながら、あらん限りの力で御戻に抱き付いてくる。 「お願いです。忘れさせて……!」 深海棲館での事を言っているのだろう。御戻は榛名の秘所に触れてみた。すでにそこは、驚き、目を見張る程に潤みを帯びていた。 御戻は榛名の下穿きをはぎ取り、自分のズボンを脱いだ。すでに御戻のものも天を仰ぐ程になっていた。 御戻が榛名に押し入る。盛大に潤んでいるせいで、抵抗らしい抵抗など感じないまま、御戻の男性自身は榛名の中を進んでゆく。 だが、先端が奥に到達するやいなや、一転して榛名の内は、まるで吸い付くようにして激しく御戻を締め付け始めた。 「くっ……榛名」 「提督……もう二度と離さないで……」 榛名の両腕が御戻の首に回され、両足は腰をがっちりと挟み込む。 「ああ。もう二度と離さない……」 「提督! ああ……もう……だめっ……!」 榛名の涙混じりの嬌声と、御戻のせり上がってくる射精感を堪える呻きが、重なりあう。 「榛名……!」 「提督……!」 二人は互いを呼び合いながら、絶頂を迎えた。 月明かりの下、波の音と潮の香りが二人を優しく包んでいる。 「えらく幸福な気分だよ」 草むらに横たわったまま、御戻は静かに言った。 「私もです……提督」 榛名が身をすり寄せてくる。 「もう鎮守府にも、自分の所業が伝わった頃かな」 「ふふ……そうですね」 少しだけ楽しそうに榛名は笑う。 「榛名」 御戻は硬い声で言う。 「自分にはもう何もない。士官としての身分を剥奪されるのは無論の事、それどころか、今や遊郭から女を攫った犯罪者だ」 「提督は犯罪者などではありませんよ」 おだやかに言いながら、榛名は御戻の頬に口づけする。 「……榛名を救い出してくださった英雄です」 月明かりにうっすらと照らされた、榛名の優しい笑顔。その笑顔だけで、御戻の心は存分に満たされる。 「自分が君に差し出せるのは、もう命ぐらいしかない」 「嬉しい。榛名なんかのために、そんな事を仰って下さるなんて」 「榛名――」 すまない、と続けようとした御戻を榛名が遮る。 「榛名も提督に差し上げられるのは、命ぐらいしかありません」 「……」 「榛名は御戻提督だけのものです。何処までもお供します。例え海の底でも。だから――」 榛名が御戻の手を強く握る。 「――もう二度と、離さないで」 「分かった」 二人とも、考えている事は同じようだった。 「空、綺麗ですね……」 「ああ……」 遥か上には満天の星空。地上の憂いや哀しみとは、一切無縁の美しい輝き達――この星々を天からのささやかな贈り物と思って、静かに二人でゆこう。 「提督。榛名は、提督を愛しています」 「自分もだ。榛名、愛している」 二人は静かに唇を合わせた。 ――翌日。 鎮守府の港に、一組の男女の遺体が流れ着いた。 男の方は、かつて提督まで務めた事のある士官。 女の方は、かつて金剛型の艦を駆っていた艦娘。 男の左腕と女の右腕は、衣類の切れ端できつく結ばれていたが、その必要がないと思われる程に、二人は強く抱き合ったまま絶命していたという――。 ― 了 ―
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/71.html
「ん? なんだろこれ」 出撃先で資源を入手することはままある。 燃料、鋼材、弾薬、ボーキサイト しかしたまにそれらに混じって瓶詰めの船体模型やら開封されていない酒や調味料など そういうものもたまにおまけで付いてくることがある。 この時海中の船の残骸からイムヤが拾ったのは防水パッケージングされた小瓶だった。 「え~と……なんとか……スパイス?」 表面の字が多少読みにくかったがSpiceの文字だけは何とか読めた。 「まぁいっか、せっかくだし持って帰ろっと」 セーラー服のポケットに小瓶を放り込み、イムヤ任務へと戻っていった。 「ワオ! 今日のカレーも美味しそう!!」 「だなぁ、出来ることなら食堂でゆっくり食べたかったところだ」 出撃から帰ってきたイムヤ達を迎えてくれたのは金曜日の名物夕飯カレーライス。 そして仕事から話せない提督用にと執務室にイムヤがカレーを持ってきてくれたのだった。 「いいのか? 食堂で食べてきても良かったんだぞ」 「一人で食べるなんて淋しいじゃない、イムヤも一緒に食べてあげる!」 そう言って食べようとしたイムヤが思い出したように手を叩く。 「あ、そうそう。今日出撃中にスパイス拾ったんだった」 「へぇ、珍しいものが落ちてるものだな」 相槌を打つとポケットから瓶を取り出し封を開けるイムヤ。 少し匂いを嗅いでみるが特に異臭はしない。 「う~ん。ま、大丈夫よねっ」 そう言うと軽くスパイスをかけてカレーを食べ始める。 「おいおい、大丈夫なのか」 「ムグムグ、ゴクン。スパイスみたいだし大丈夫じゃない? 司令官もかける?」 そう言って差し出された瓶を受け取り多少の不安を感じつつ多少かけようとしたが…… バサッ 「あ」 いかにもスパイスらしい灰色の粉がカレールーの上にかかる。 「手元が狂った……」 「あーもったいない」 「仕方ないだろ。まぁまだ残ってるみたいだし」 そう言って瓶を机に置くと恐る恐る匂い位を嗅いでみる。 特に異臭はしない。 少し口に入れてみるが特に変わった様子もない。 「これ時間経ちすぎて風味が飛んでるんじゃないのか?」 「そうかなぁ、ちょっと残念」 そんなやりとりをしながら二人はカレーを食べ終わった。 (なんだか少しボーっとするな……食いすぎたか……) そんなことを考えながら仕事の続きをしているとイムヤから声がかかる。 「あっ、そういえば司令官。前に届いた予備の浮き輪ってどこに置いたっけ?」 「ん……? ああ……確かそこの一番下の棚の奥に放り込んだ気がするな……」 「一番下の段の奥ね、ちょっと探してみる!」 そう言うとイムヤは荷物置きの中に体を突っ込んで浮き輪の予備を探し始めた。 「……………」 意識がますますボンヤリしてくる。 ふとイムヤの方を見ると上半身は物置に隠れ、水着に包まれた形のいいお尻がこちらを向いている。 それはまるでこちらを誘っているかのようにフリフリと揺れ、健康的な色気を振りまいている。 イムヤが身動ぎするたびに尻の割れ目と股間の部分の水着にシワが寄ったりするのが何故かはっきりと見え 混迷とした意識の中、その扇情的な光景に体がフラフラとそちらに向かって歩き出す。 「見つからないなー、んーアレかな? ってキャア!」 イムヤが悲鳴を上げる。 その原因は光のない目でイムヤのお尻を掴んだ提督であった。 「え!? え!? し、司令官!!?」 ゴツン!! 「イ、イタタ……ってな、何!?」 ビックりして飛び上がろうとして頭をぶつけて涙目になるイムヤだが 提督の手はおかまいなしとばかりに水着の上からイムヤの尻を揉みしだく。 「や、やだ! やめてよ!! だ、誰かぁー!!」 声を張り上げるが物置に上半身が入り込んでいるため、声が篭って全く響かない。 足をばたつかせるが提督の体はイムヤの両足の間に入り込んでいるため全く意味がない。 その間にもイムヤのお尻を揉む手つきは大胆かついやらしく彼女を責め立てる。 「あっ……や、やだぁ……し、司令官……お願い……やめてよぉ」 だがそんな懇願は聞こえないとばかりに生暖かい感触がイムヤの尻に当たる。 それが舌の感触と分かるまで数秒かかったイムヤは自分がされている光景を想像して真っ赤になる。 提督の舌が水着の上から、そして水着に包まれていない部分も含めてネットリと味わうように絡みつく。 嫌悪感とそれを上回る羞恥心がイムヤを襲う。 「やッ! やだ! 舐めないでぇ!!」 だが全く聞く耳を持たずに続けられる行為にさらに新たな刺激が加わる。 「だ、だめだめだめだってば! そこ触らないでぇ!!」 指が水着の上からイムヤの割れ目をなぞるように往復する。 彼女の意思とは関係なくビクビクと反応してしまう体。 指は執拗にイムヤの秘裂を味わうようになぞり、徐々に水着が割れ目に食い込んでゆく 「あっ……やぁ……やだぁ……」 さらに指はイムヤのクリトリスの場所を探し当て、執拗にこすり始める。 歯を食いしばってその感覚に耐えようとするイムヤだが、快感に抗いきれずに秘所が熱くなっていくのがわかる。 「……し……れいかん……お、お願い……だからぁ……」 イムヤの涙声に反応したのか舌と指が離れる。 (よ……よかった) イムヤがそう思った瞬間、水着がずらされ丸見えになったであろうそこが指でクパァっと開かれた。 「!!!???」 何が起こったのか分からず混乱した次の瞬間 レロォ……と暖かく柔らかいものがイムヤの秘裂を舐め上げた。 「~~~~~!!??」 声にならない叫びをあげながらビクンと体をはねさせてまたもや頭をぶつけるイムヤ。 提督の舌はそんなイムヤを気にもせず、湧き始めた愛液をすくい取り さらにそれを掘り起こそうと彼女の中に刺し込まれる。 なまじ様子が見えなことで状況を実際より過激に想像してしまい イムヤの意思に反して体は敏感に反応してしまう。 「あぁ……ん……!……司令……かん……ほんとに……やめ…!」 イムヤの下半身全体を貪り尽くすように再び手が尻を揉みしだき 秘所からはジュルジュルと愛液をすする音が部屋に響く。 「や……だぁ……それ以上…されたら…んぅ!……おかしくなっちゃう……よぉ……」 すでに腰はガクガクと震え力が入らなくなっているが、手と舌は容赦なくイムヤを責め続ける。 もはやされるがままのイムヤ、暗い荷物置き場の中で必死に快感に耐えるだけの状態が続く。 するとまた手と舌がイムヤの体から離れた。 同時にカチャカチャいう金属音、それを聞いたイムヤの顔が青くなる。 抵抗できない下半身に熱い何かが押し付けられる。 さすがにそれがなんなのかイムヤにもわかった。 (こ……これって司令官のお、おちんちん……!?) 暴れる前に腰を掴まれ、肉棒が徐々に入ってゆく…… 激痛に備え身を固くするイムヤだったが…… (……え?……い、痛くない……ってふぁっ!?) 肉棒はイムヤの秘裂と水着の間に差し込まれていた。 緩慢な動きでぷっくりと充血した柔肉とクリトリスを欲望が蹂躙していく。 刺し込まれるたびに肉棒から出るカウパーとイムヤの愛液が混ざり合い 水着の中でグチュグチュと卑猥な音が響く。 (やだっ……私水着と一緒に犯されちゃってる……!) 動きこそゆっくりだがじっくりと味わうように擦り付けられる肉棒の与える感触に イムヤの下半身は自然に反応し、どこにそんな力が入るのかというくらい太ももを閉じ 水着の上から提督のモノを挟み込んでしまう。 (ヤ、ヤダッ…! こんな……私の体じゃないみたいに……はぅん!) ピストンの速度が上がり、気づかないうちにイムヤもそれに合わせるように腰を動かす。 パンパンパンとお互いの肉がぶつかる音だけが部屋に響き…… 「あっ…! らめぇ…! 司令官……わらひ……おかしく……あっ…あぁぁぁぁぁぁぁ!!」 イムヤがビクリと体を震わせ絶頂に至った瞬間 ビュルルルル!!と欲望の先端から大量の白濁液がイムヤの水着と腹の間にぶちまけられた。 「ぅ……」 バタン! 何かが倒れたような音を聞きながらイムヤは放心状態で絶頂の余韻に浸っていた。 ───数分後 「う……うぅ……足がうまく動かない」 我に返ったイムヤはようやく荷物置き場から抜け出した。 そして涙ながらに提督を怒鳴りつけようとしたのだが…… 「あ、あれ……?」 そこには下半身の装備を中途半端に出したまま昏倒している提督の姿があった。 「え……? ……え!?」 大混乱に陥るイムヤ。 (え!? だ、だって司令官が私が動けなくなったところであ、あんなこと。で、でも……え!?) よく観察すると顔色が変色しており、苦しげな呻き声を漏らしている。 「……ど、どうしよう?」 あんなことされたのはショックだったがそれにしたってこの苦しみ方は尋常ではない。 お腹に出されたモノが絡みついて不快だったがぐっとこらえて とにかく執務室用の布団に運んで待つこと数分。 「ぅ……ぁ……イムヤ……?」 微かに目を開ける提督を見て一応安堵の息を漏らすイムヤ。 さすがにあそこまでされたとは言え、このまま目を覚まさなかったら一大事だ。 一息ついてから抗議しようとした瞬間 「……なんで俺……布団で寝てるんだ……?」 「……へっ?」 提督の言葉にイムヤが素っ頓狂な声を上げる。 「し……司令官……覚えて……ないの?」 「……え?……だって……確かカレー食った後気持ち悪くなって……あれ?」 「ほ、本当に……お……覚えてないの?」 だるそうに起き上がる提督に対し、ヘナヘナと力が抜けるイムヤ。 「意識が……イマイチはっきりせん……。俺……何かしたのか?」 盛大にヘタリ込むイムヤを怪訝そうに見てから考え込む提督。 「……まさかあの薬……」 そう呟き、机に向かって重そうに体を向かわせる。 そして瓶に顔を近づけて一言 「……げ」 「え?」 「……Philtrum Spiceだと?」 「な、何それ?」 「媚薬だ……それも男に使うやつらしい」 「ヘ……? ち、調味料じゃなかったの?」 「Spiceの字だけはっきり残ってるからな……気づかなかった……」 提督から投げ渡された瓶を呆然と眺めるイムヤ。 気づくと提督から不審気な視線が向けられている。 「……お前まさか知ってて」 「そ、そんなわけないでしょ!! そ、それにあのあと大変だったんだからね!?」 「は?」 顔を真っ赤にして反論するイムヤの様子を見て何かを察したらしい。 提督の顔色がサーっと青くなっていく 「一応聞くが……もしかして俺がお前に手を出したとか……?」 赤い顔のまま視線をそらして頷くイムヤ。 「ス……スマン」 「あ…あうぅ……わ、私もよく知らないで変な薬飲ませてごめんなさい」 お互いに謝るがさすがにバツが悪そうに提督がイムヤに尋ねる。 「そ、その……無礼ついでに確認しておきたいんだが……ま、まさか最後までしたのか?」 「そ、それは大丈夫だったけど……」 「そ……そうか」 さすが顛末を一から十まで自分の口から説明するなんて口が裂けても言えず赤面したまま口をつぐんでしまうイムヤだったが 「イ、イムヤ……それは……」 提督が震える指をイムヤの太ももに向ける。 見ると白い液体が水着から漏れてツーッっと太ももを伝っている。 「あっ…こ、これは!」 「す、すまんイムヤ! 本当に悪かった!!」 完全にイムヤが自分を気遣って嘘をついたと思い込んだ提督が土下座して頭を床に擦り付ける。 「ち、違うから! そ、その……実は……」 ──イムヤ説明中 「どっちにしろ悪かった」 イムヤが顔を真っ赤にしながら事のあらましを(省けるところは可能な限り省きながら)説明し終わったあと 改めて提督が頭を下げる。 「も、もういいってば! で、でも……その……本当に悪いと思ってるんなら こ、今度の休みの時に服とか買ってほしいな」 照れ隠しで言った台詞に瞬時に反応する提督。 「わ、わかった! 買いに行こう!」 「え…ほ、ホントに? ワォ! やったぁ!」 その言葉に無邪気に喜ぶイムヤをみて、提督はホッと胸をなでおろしたのであった。 媚薬事件から数週間後、ようやく休暇申請が通った提督とイムヤは 約束通り街に買い物に行くことになった。 ちなみに今日の買い物はイムヤにゲームで負けた罰ゲーム、という理由になっている。 さすがにあんなことのお詫びとは両者とも言えない。 (ふう……しかし普段制服ばかりだったから私服に慣れんな) ちなみに提督の姿は地味なシャツとスラックスで、どこにでもいそうな青年風である。 待ち合わせの鎮守府入口に行くまでの間3回ほど不法侵入者と間違われた。 「いくら制服姿ばかり見ているからといって失礼な気がするんだが…」 そんな不平を呟きながら門に着くと既に待っていたらしいイムヤの声が聞こえた 「あっ、司令官遅いわよー!」 少し抗議地味た口調が混じったその声に視線を向けると 「……え?」 他の艦娘のような制服姿に髪を下ろしたイムヤが待っていた(イムヤ jk で画像検索)。 「も~、しょうがないなぁ~!……ってあれ? 司令官どうしたの?」 服と髪型を変えるだけでこんなにも印象が変わるものだろうか。 というより普段の姿を見慣れてしまっていただけかもしれないが (ヤバイ……可愛い) とっさに視線をそらしつつ熱くなる頬を隠すように手で口の周りを覆う。 (よく考えたらコイツすごい美形なんだよな……) 慣れとは怖いものだ、と思いつつわざとらしく咳払いをして視線を戻す。 「今日は服が違うんだな」 「だって街に行くのに水着は着ていけないでしょ?」 「それはまぁ……そうだな」 「でも司令官服地味すぎー」 「仕方ないだろ、普段着ないんだから……」 なるべく意識しないようにしながら街へと足を向ける。 1時間ほど乗り物を乗り継ぎ、街へたどり着くと真っ先に約束した服屋へ向かう二人。 「わぉ、どれがいいかな?」 たくさんの服を前にして目をキラキラさせながら聞いてくるイムヤ。 「そ、そうだな。店員に聞きながら選んでみたらどうだ?」 「え~司令官は選んでくれないの?」 ぷぅ~っと頬を膨らませるイムヤに慌てて言い訳をする。 「ふ、服は専門外だからな。専門家の意見を聞いたほうがいいいと思うぞ、うん」 「そうかなぁ~。あ、すみませ~ん」 店員の姿を見つけ、声をかけるイムヤ。 「……ふう(助かった)」 街についてから始めて緊張の糸を切れさせた提督であった。 しばらく所在無さげに男物の服を眺めながら時間を潰す、と。 「あ、いたいた。しれいか~ん! この服どう?」 イムヤの声に振り向くとそこには(イムヤ ティータイム で画像検索) な姿をしたイムヤの姿があった。 (おい……破壊力ありすぎだろ……) またしてもとっさに視線をそらす提督。 その様子を見たイムヤが小首をかしげて不安げな声を出す。 「あ……その……やっぱり、似合わないかな?」 「い、いやっ!そんなことはないぞ。と、というかだな…す、すごく似合ってると思うぞ」 「えっ、ほんとに?」 満面の笑顔になるイムヤだが、それがまた提督の心をざわつかせる。 「えっへへー、じゃあこれこのまま着ていってもいい?」 「あ、ああ。それは全然構わん」 支払いを済ませ、店を出る二人。 軽く昼食をとって再び鎮守府に向かったのだが…… ……チラッ 「??」 サッ…! チラチラとイムヤを横目で見て、イムヤが視線に気づくと慌てて目をそらす。 という状況がかれこれ数十分続いている。 (くっ……気まずい) そもそもこの空気の重さは自分のせいなのだが数十分が数時間にも思えてくる。 イムヤも行きの時こそ色々話しかけてきたが 帰りはおそらくは提督の不審な態度のせいで無言が続いている。 とはいえそんなこんなでも時間はすぎるもので、ようやく二人は鎮守府に帰還した。 「お、テートクにイムヤおっかえりナサイー!! ってoh! イムヤすごくかわいいネー!!」 「え? そ、そう?」 「さ、さて! じゃあ俺は執務室に戻るからな!」 「テートクー! ワタシも今度服買って欲しいナー!」 「そ、そのうちな!そのうち!」 逃げるようにその場を去っていく提督を複雑な視線で見送るイムヤだったが その視界は金剛の声で二人に気づいた他の艦娘たちによって遮られる。 「キャー可愛いー!」 「すごく似合ってて、なんだか羨ましいのです」 「わ、私もああいう格好すれば男が寄ってくるかしら…」 「姉さん……」 「な……なによ……北上さんの方が」 「いや、わけわかんない」 盛大な出迎えを受けたあとみんなのリクエストでその服装のまま夕食を食べ イムヤは一人で食堂に残り椅子に座って頬を机に乗せていた。 「あら~、どうしたの~? せっかく可愛いお洋服買ってもらったのに仏頂面しちゃって~」 「あ……愛宕さん」 ニコニコと笑いながらイムヤの隣に座る愛宕。 「あのね……この服本当に似合ってるのかなぁ」 「あら、すごく似合ってるわよ~、私が男の人だったら絶対放っておかないわね~」 「そう……かな?」 「あら、何かあったの?」 「うん、あのね……」 尋ねてきた愛宕に今日のことを話すイムヤ。 朝から提督の様子がおかしかったこと。 似合うとは言ってくれたものの帰ってくるまでの間、ほとんどまともに自分を見てくれなかったこと。 その様子を聞いていた愛宕ははじめの方こそ多少真剣な眼差しで聞いてくれていたのだが 「あらあら……クスクス」 話が進むにつれておかしくてしょうがないという顔になってきた。 「む~真面目に聞いてよ~」 「ふふ……あらあらごめんなさい。でも多分全然逆だと思うわよ?」 「逆?」 「ええ、どうせだから提督に直接聞いてみましょうか?」 そういうとさっさと執務室の方へ向かう愛宕をイムヤも慌てて追うのだった。 「提督~、今よろしいですか~?」 「ああ、愛宕か。入れ」 扉を開けて愛宕が執務室に入る、そして扉も締めずに一言 「提督ったらひどいですね~」 「な、何の話だ」 「イムヤちゃんったら泣いてましたよ~?」 ビクっと反応する提督。 「……え?」 「提督のお気持ちもわかりますけどね~ 大方イムヤちゃんがあんまり可愛いから逆に声をかけづらくなっちゃったんでしょ~?」 図星なので言い返せない提督にさらに追撃が放たれる。 「ま~提督の普段着とさっきのイムヤちゃんじゃ釣合いませんしね~」 「うぐっ……」 「それとももしかして本当に似合わないと思ってたとか?」 「いや……その……お前の言っていることで大体合ってる」 「つまり~?」 笑顔のまま言質を引き出そうとしてくる愛宕。 「くっ……そ、そうだよ。服もすごく似合ってたし そ、その……あんまりにも照れくさかったんで喋れなかっただけだ」 「そうなんですか~、じゃあちゃんと本人に謝ってあげてくださいね~」 提督の言葉にニッコリと頷くと愛宕が背後に向かって声をかける。 「ですってよ~イムヤちゃん?」 「はい?」 愛宕がクスクスと笑いながらその場をどくと 影になって見えなかった場所から顔を真っ赤にしたイムヤが現れる。 「~~~~~!!」 (ぜ…全部聞かれてたのか!?) 無言で抗議の視線を愛宕に送るが、それを笑顔でかわしながら 「それじゃあね~」 と彼女はイムヤを執務室に押し込み扉を閉めて去ってしまった。 部屋に気まずい雰囲気が流れる。 「そ、その……イムヤ……」 「……………のに…」 「え?」 「ちゃんと……言ってくれればよかったのに……」 いつの間にかイムヤが少し涙目になっている。 「……買い物に行くの……すっごく楽しみにしてたのに…… グスッ……嫌われちゃったのかと思って……」 慌ててイムヤに駆け寄り所在無さげに動かしていた手を恐る恐る肩に置く。 ビクリと一瞬体が浮くが拒絶はされていない。 「すまない……その……言い訳にもならないかもしれんが 普段と違うイムヤが新鮮に見えてな……それが態度に出てしまった」 「じゃ……じゃあ」 「わかった……白状する……あまりにもイムヤがかわいくて不審な態度をとってしまった」 その言葉を聞いた瞬間顔から湯気が出そうになるくらい真っ赤になるイムヤ。 「ほ、本当に?」 「こ、こんな恥ずかしい嘘が付けるか!」 思わずタガが外れかけ、イムヤを抱き寄せてしまう。 「(あ……し、しまった)」 しかしイムヤは全く抵抗せずに提督の胸に黙って顔を埋めている。 先日自分がしてしまったであろうことが頭をよぎり、 慌てて体を離そうとしたがイムヤは提督の服をギュッと握って離さない。 「……あのね、司令官」 「な、なんだ?」 「私、司令官のこと好きだよ……だからこの間あんなことされた時……すごくショックだった」 「う……」 いくら薬のせいで意識がなかったとは言え、ひどいことをしてしまったことには変わりない。 「でもね……司令官が私のことかわいいって思ってくれて それであんなことしたいって思ってくれるんなら……私嬉しいから……ダメ……かな?」 そう言って潤んだ瞳で切なげに自分の顔を見つめてきたイムヤを見た時点で 「しない」という選択肢は頭から排除されていたのだった。 ゆっくりと布団にイムヤを横たえると顔を赤くしたイムヤが予想外の言葉を放ってきた。 「あ、あのね司令官……その……イヤじゃなかったら……前と同じことをして欲しいんだけど……」 「い、いや……だがそれは」 「あの時はイヤだったけど……今の司令官に同じことしてもらえればイヤな記憶も消えるかなって……」 「あ……ああ……それなら」 そう答えるとイムヤはうつ伏せになり、真っ赤になりながらこちらにお尻を向ける。 確かあの時イムヤに話してもらった記憶を思い出す…… ゆっくりと優しくイムヤのお尻に手を這わせ、ほぐす様に揉んでやる。 「ん……ふぅ……」 触れた瞬間こそ一瞬ビクっと反応したが、そこからは提督のなすがままになるイムヤ。 しばらくすると緊張がほぐれてきたようで体の力が抜けていっているのがわかる。 「あ……あのね……あの時はもっとエッチな手つきで司令官は触ってきてたの」 その言葉に反応するように少し激しめに、いやらしくイムヤの尻を揉む。 下着がイムヤの尻に食い込み、まるで競泳水着でも着ているかのように彼女の尻がほとんど丸出しになる 「……この後は……どうしたんだ?」 「はんっ……そ、その……お尻を舐めて……あぁっ……!」 イムヤの言葉を聞いた次の瞬間、すぐに舌を尻に這わせる。 自分の尻が睡液に犯されるのを感じながら あの時とは違う愛情のある舌使いにイムヤの秘所が反応してしまう。 じんわりとシミの出来てきた下着に指を伸ばしたい衝動を抑えながら 「次は……?」 提督はイムヤに次の指示を送るように急かす。 「そ、その……私のアソコを指でなぞっ……ひゃん!」 その言葉を待っていましたとばかりに指が下着の上からワレメをなぞる。 下着がワレメに押し付けられるたびにじんわりとシミが広がってゆく。 その光景を見てゴクリと喉を鳴らしつつ 「この次は?」 「あ……あの……そこじゃなくて……もう少し上の……きゃう!?」 「ここか?」 イムヤのクリトリスを軽くつまんでやる。 体が一際大きく跳ね、布団を握り締めながらイムヤが必死に言葉を漏らす。 「う…ん! うん! ……そこ……そこぉっ…!」 快感に翻弄されるイムヤのクリトリスを夢中で弄りながら 「イムヤ……次は?」 と急かす。 「あっ…あっ! ず、ずらして…クパァってして……! ……司令官の舌が私の中に! あんッ!!」 大体わかった。 下着をずらすと既にグッショリと濡れているイムヤの秘裂、そこを指で広げて舐め上げる。 「や……ぁ……! 司令官……うん……それ!……あんっ…!気持ちいいよぉ!!」 既に一度快楽を知ってしまった身体は柔らかい舌に敏感に反応し蜜壷からどんどん愛液が溢れてくる。 一滴たりとも逃さぬようイムヤの体を持ち上げ、顔に秘所を密着させて愛液をすすり上げていると 不意に股間にイムヤの手が当たる。 体を自分の方に引き寄せたせいで、ちょうど股間がイムヤの顔のあたりに来るような姿勢になっていた。 張り詰めたテントを恐る恐る触るイムヤに一旦口を止め 「イムヤ……俺のも……その、してくれないか?」 と頼んでみる。 こちらを向いたイムヤが上気した顔でコクンと頷くとジッパーが引き下げられ、ブルンと勢いよく中身が外に飛び出す。 「こ……これが司令官のお…おちんちん……」 あの時は暗闇で犯され、事が終わった後のモノしか見ていないイムヤにとって 臨戦態勢での主砲は初めて見るものだった。 すでに先走り汁が出ているそれは、イムヤの手が触れるとビクビクと痙攣しさらに先端からカウパーを滲ませる。 「うぁ……イムヤ……気持ちいいぞ」 両手で懸命に刺激を与えようとするイムヤに声をかけ、再び秘所への責めを再開する提督。 (すごい……ヌルヌルする……男の人も気もちよくなると濡れるんだ…) ボーっとした頭でそんなことを考える。 (あうっ……気持ちいいよぉ……もしかして……男の人も舐めてあげたらもっと気持ちよくなるのかな?) スマホで見たことのあるフェラチオというものが脳裏に浮かび、おずおずと提督のモノに舌を這わすイムヤ。 すると竿がビクンと跳ね上ってイムヤの顔を叩き、同時に提督が快楽に耐える呻き声を上げる。 (あ……気持ち……いいんだ……) それが嬉しくて貪るように舌を這わすイムヤ、提督も負けじとイムヤの膣内やクリトリスを舌で舐めまわす。 お互いが無言で相手を気持ちよくしようと性器を刺激し続け─── 「グッ……!!」 うめき声と同時に肉棒の先端から白濁液が飛び出し、イムヤの顔を汚す。 「あぁっ……!!」 すでに数回イッて意識が飛びかけていたイムヤはそれを避けもせずに顔中に浴びてしまう。 ぼーっと顔にこびりついた精液を指ですくい取り、舌で舐めとるイムヤ (これが……赤ちゃんの素なんだ……苦いけど……変な感じ……匂い嗅いでると頭がフワフワする……) 多少萎えている肉棒に舌を這わせ、こびりついている精液を舐め取っていると それはムクムクと元気になり、あっという間に先ほどと同じ姿を取り戻した。 (すごい……また大きくなった……) そんなことを思いながらなおも舐め続けていると提督が慌ててイムヤに声をかける。 「イ、イムヤ! も、もういい! その……いいか?」 舐めるのをやめ、提督の方を向いたイムヤがその言葉の意味を察しコクンと頷く。 「うん……でもね……その……ちゃんと司令官の顔を向いてしたいの……ダメ?」 「……ダメなわけがあるか」 そう言ってイムヤの体を自分の方に向け、持ち上げる。 ちなみに脱がせたのは下着のみだ。 可愛い衣装をまとったイムヤが顔を精液で汚しながら自分の手によって乱れてくれている。 下手に脱がすよりもよほど興奮する。 イムヤの体を持ち上げて秘裂と肉棒の位置を合わせ、そして少しずつ体を落としてく。 ズブズブと肉棒が徐々に自分の中に飲み込まれていくのを イムヤは多少の痛みとゾクゾクとした快感を感じながら受け入れていった。 すでに何回もイったイムヤの中は、初めてにしては比較てスムーズに欲望を飲み込んでいく。 ビクビクと体を痙攣させる彼女の体を落としていくと、やがて抵抗にぶつかる。 僅かな躊躇の後さらに腰を落とすとプチっという感触とともに処女膜が破れ 初めての証である血が結合部から流れ出す。 (本当に……薬にやられてる時にしなくてよかった……) 安堵の息を吐きながらさらにイムヤの体を落とし、やがて先端がコツンと子宮に到達する。 「イムヤ……全部入ったぞ」 「う……ん……司令官の……すごく熱くて、おっきい……」 少し苦しそうだがイムヤは目尻に少し涙を浮かべながら微笑む。 その顔がたまらなく愛しくなり、精液で汚れていることなど構わず思わず唇を塞ぐ。 「ん!……んんん……ちゅぷ……」 ゆっくりと唇を割って舌を入れるとイムヤも躊躇いがちに舌を絡ませてくる。 しばらくの間夢中になってお互いの舌を貪り合う。 「ぷはっ……」 ようやく口を離すと二人の口から伸びた睡液がお互いのあいだに細い橋を作る。 名残惜しそうなイムヤに声をかける 「じゃあ、動かすぞ……」 「うん……」 多少残っていた強張りも今の口づけで消えたようだ。 ゆっくりとイムヤの体を持ち上げ、そして再び落としてゆく。 柔らかいヒダが肉棒全体を包み込んで強めに圧迫し、気を抜いたらすぐにでも果ててしまいそうなところを歯を食い縛って我慢する。 「ふぁっ…! あぁぁぁぁ!」 イムヤの方は自身が強く咥え込んでいるモノから与えられる快感の方が既に優っているようで 往復させるたびに小刻みにイッているようだ。 少しずつ抽送のスピードを上げてゆく。 スカートの下で結合部がグチャグチャと卑猥な音を立て 直接見えずに音だけが聞こえることが逆に二人の興奮をより一層高めていく。 「あぁん! やっ! し、司令官…!司令官!!」 イムヤがこちらを呼ぶたびに膣がキュンキュンと肉棒を締め上げ絶頂に誘ってくる。 なおも我慢し、さらに勢いを強めて中に打ち込むと イムヤのほうは腰が抜けたのか、完全にこちらに体重を預けて首筋に抱きついている。 髪から漂ってくるフワっとしたイムヤの香りがより一層脳髄と股間を刺激しさらに血が集まってゆき 限界が近いことを知覚する。 もはや欲望の赴くままに手でイムヤの腰をつかみ、荒々しく自分の腰を打ち付け先端を子宮に押し付けると 声にならない喘ぎ声を上げながらイムヤの中がもう逃がさないとばかりに締め付け─── ドクン!! 今までこらえていた大量の精がイムヤの一番奥で解き放たれた。 熱いモノが大量に自分の中に流れ込んでくる感覚をイムヤは背をのけぞらしながら受け止める 最後の一滴まで搾り取るかのように絶頂を迎えた膣内は肉棒を締め上げ その刺激に勢いは一度だけでは収まらず、何度も痙攣しながらイムヤの中に白濁液を流し込む。 入りきらなかった精液が逆流して結合部から漏れ出すが、さらに数秒間彼女の中に精を注ぎ続けた。 そしてお互い糸の切れた人形のように倒れ込み、疲労の極致にあった二人は繋がったまま抱き合って眠ってしまった。 「ど……どうしよう……」 「す……すまん」 翌早朝、目をさましようやく正気に戻った二人が現在の惨状に気づく。 買ったばかりの服、いろいろくっついて大破 執務室の敷布団、、シーツ、同じく大破 「か……買ったばかりなのに……」 昨晩とは違う意味で涙目になるイムヤ。 「と、とりあえず気づかれないうちに洗濯してしまおう」 「う…うん」 提督が大急ぎで布団からシーツを引っペがしたり部屋の中を片付けているあいだに イムヤはこっそりと部屋に戻り、いつもの水着に着替えて服を洗濯所に持っていった……のだが 「あらあら~」 「えっええ~~!?」 「こんな朝早くからお洗濯~?」 「な、なんで愛宕さんが……?」 「うふふ~今日の当番は私だからね~ってあら、その服もう洗うの?」 「え、え~と。その、ほら、新しく買った服は一回洗っておいたほうがいいみたいなことをこの間スマホで……」 「その割にはなんだかすごいことになってるみたいだけど~?」 「うっ……ううう~~」 顔を真っ赤にして服を抱きしめるイムヤ。 「ほら、洗っておくからこっちにちょうだいね~ うふふ、他の娘達には黙っておいてあげるから安心して」 服を渡して脱兎のごとく逃げるイムヤをクスクス笑いながら見送ったあと 「でも提督にはお説教かしらね~」 と、数分後に現れた提督は床に座らされて他の艦娘が起床して奇異の目で見る中、 朝食までお説教されました。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/690.html
367 :名無しの紳士提督:2015/03/08(日) 18 47 38 ID JhJHZJMk 浜で、かなり小振りなイ級が意識を失って打ち上げられているのを見つけた提督 砲は持っていないようだが当然放っておくわけにはいかず、悩んだ末にとりあえずと鎮守府に抱えて連れていく 鎮守府に戻ったところを見つかり、少しのパニックが起きた後 意識を取り戻したイ級の様子を艦娘たちの警戒のもと見ることに イ級にはどうやら敵意や戦意は無いようであり、しかも周囲の艦娘たちにも構わず提督になつきまくる その後、艦娘たちとこれからどうするかを話し合った結果、鎮守府内にて保護し、常時警戒の経過観察と結論 そしていくばくかが経ち、緊張感は拭われないながら生活の中に馴染むイ級 何事も無く、提督になついているのは相変わらずだが、成長しているのか少しずつ大きくなっていくイ級を不安に思い警戒する艦も そして、ある夜 提督は部屋に侵入する誰かの気配に気付き眠りから覚める また駆逐の誰かがイタズラしに来たか、と思いながらうっすらと目を開け、布団の横の誰かを見ると… 月明かりの中、真っ白な髪と肌に青く輝く目を持つ少女が、一糸纏わぬ姿でこちらを覗き込んでいた 勢いで妄想した、反省はしないが後悔は少しだけ 369 :名無しの紳士提督:2015/03/08(日) 20 00 06 ID l9sAzuWI 367のを読んでみて力がヲ級とかル級みたいに強くない深海棲艦は昼とかの明るい環境では化け物のみたいな姿してるけど、深海とか夜とか周りが暗い時は人間っぽくになれるのかなと 妄想した。 まぁ、夜戦時はどーなんだよとか突っ込まれたらなんとも言えんがな…
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/567.html
714 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 16 54 ID OP/4A0t2 濡れ場のリハビリがてらに書いた駄文ですが投下します ※キャラ崩壊してるかも ※独自設定っぽいのあり 海沿いのある町の、その外れにぽつんと佇むコンクリートの小さな建物。 訪れる者のいないこの建物に提督が一人と艦娘が一人、ひっそりと暮らしている。 それほど大きくない町の、更にその郊外だけあって、周りには海以外何もない。 とは言え、別にこの提督が極度の人嫌いだとか、人目を憚るような訳があるとか、極秘任務に就いているとかいう訳ではない。 いや、任務と言えばそうなのだが― 数か月前、人類は深海棲艦と無期限の停戦状態に入った。 深海棲艦側としては、既に人類に対抗するだけの組織も、それを維持するだけの兵站もなく戦争を継続するのが困難になった。と言うのが一番の理由だ。 開戦当初こそ人類に対し攻勢に出ていた深海棲艦だったが、当初の計画よりも早く、そして広範囲に拡大した戦線は、やがて兵站の限界を超えてしまった。 その上緒戦の勝利によって徐々に現場至上主義が蔓延り、司令部を無視しての更なる戦線拡大が恒常化し始めた。 しかしこうした野放図な戦線拡大がいつまでも続く訳がなく、やがて最前線でも補給が滞り始めると、孤立した前線の艦隊は真っ先に人類側反攻作戦のターゲットとされた。 人類側の高度に組織化された軍隊や、大量投入される艦娘やその他の兵器、それらを維持するだけの生産力と兵站管理能力の前にこうした艦隊は次々と掃討され、 各海域で戦線の崩壊が起こると、士気低下や補給の停滞、更に現場至上主義の弊害として命令系統が混乱。 平然と命令無視や残党の軍閥化が頻発し、もはやだれが敵なのかも分からなくなってきていた。 こうして四分五裂した深海棲艦は急速に弱体化、戦争の継続はおろか、上層部はまともに命令に従う戦力がどの程度残っているのかも把握していなかった。 ―上層部もまた、そうした問題より自分の軍閥の拡大に重きを置いていた。 こうして始まった泥沼の内部抗争により人類との停戦を申し入れ、人類側もこれに対していくつかの要求をのむことを条件に停戦に応じた。 結局、戦争という行為に関しては、有史以来それを繰り返している人類の方が一枚も二枚も上手だったという事だ。 この停戦により各地の鎮守府や泊地とそこに溢れかえる提督や艦娘はその存在意義が薄れ、多くは除隊か、沿岸監視の名目で各地に飛ばされた。 その沿岸監視とは名ばかりの飼い殺しにあるうちの一人が、この小さな建物に暮らす提督である。 715 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 22 48 ID OP/4A0t2 「おはようございます提督。ご飯にしましょう」 その飼い殺し提督と一緒にいるのが、今や彼の艦隊に唯一所属している艦娘となった伊勢であった。 戦後、他の艦隊に引き抜かれたり、自ら希望して解体され、普通の女性として除隊した者達が多い中、彼女は最後まで艦隊に残っていた。 「ああ、用意してくれたのか。済まないな」 寝ぼけ眼で小さな卓袱台に並べられた二人分の朝食を見て、提督は申し訳なさそうに言う。 「気にしないで。さ、食べましょ」 伊勢はそう答えながら提督を促し、自分も卓袱台の前に座る。 「「いただきます」」 二人向かい合って朝食をとりながら、提督はふと伊勢を見つめる。 「どうしました?私の顔に何かついている?」 「いや、見慣れたと思ったが、艤装をしていないと小さく見えると思ってな」 最近、伊勢は艤装をしていない時間が増えた。 以前の様に戦う事がなくなったので当然と言えば当然だが、身軽な今の姿は彼女を妙に小さく見せる。 やがて食事を済ませた二人は一緒に食器を洗い終えると、それぞれの業務に就く。 といっても大したものではない。 伊勢は外していた艤装を装備し、浜辺に出て瑞雲を発進させる。 名ばかりとは言え沿岸一帯の監視が任務である以上、日に何度かこうして哨戒を行い、ついでに感覚を忘れないために自主訓練を行う。 提督は周辺の見回りや施設内の保守点検、昨日までの報告の作成、時折司令部で行われる合同演習や図上演習等が仕事となる。 勿論、どちらも一日中やっている訳ではないため、他にやることがあるとすれば施設内やその周辺の清掃、海岸のゴミ拾いぐらいだろうか。 それでも陽の傾き始めるころには大体が終わってしまう。 飼い殺しと呼ばれる所以はここにある。 何重にも警戒態勢が敷かれ、無条件降伏に近い条件を呑ませて停戦した今、 深海棲艦が近海まで現れることはなく、辺鄙な田舎町の郊外で事件など碌に起こる訳もない。 一度砂利道でパンクしていた車を見つけ、ジャッキを持ってきてタイヤ交換を手伝ったこともあったが、精々その程度だ。 無論、こうした業務に大した報酬がある訳でもなく、 提督には最低限の生活物資の補給がある代わりに、戦時中に比べれば雀の涙ほどの給与で糊口をしのいでいる。 716 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 26 41 ID OP/4A0t2 この日も何ら変わりなく、西の空がオレンジ色に染まるころにはすべての業務を終えて提督が風呂を、伊勢が夕食の準備を始めていた。 こうした代わり映えしない日々や旨みの無い待遇に嫌気がさして除隊するものも多く、軍縮を迫られている上層部としてはそれが狙いでもあった。 「さて、今日も一日平和だったな」 提督は風呂を洗いながらこの頃この時間の口癖となった言葉をつぶやく。 伊勢からも特に何の異常もなかったとの報告を受けているが、そもそも異常があったためしがない。 「……これなら辞めたくなる奴が多いのも分かるな」 そう言いながらも提督はそのつもりは無かった。 それから暫くして、風呂の準備が整うとほぼ同時に夕食も完成した。 いつも通り、二人ともまずは先に風呂に入り、それから夕食となる。 普段なら二人分の食事が並ぶだけの食卓に、提督の懐では少し無理をした銘酒の小瓶が置かれている。 「「いただきます」」 いつもの通りの夕食に加えてコップ酒が追加された卓袱台。 しかしコップは三つ出されていた。 三つ目の前には何人もの名が刻まれた位牌が一つ。 今日はかつての仲間の命日だ。 戦争末期、深海側最後の抵抗とされた激烈な戦闘があった。 練度の足りない新兵たちまで駆り出し、補給も受けられないままに戦いを挑んだ深海棲艦の敗北は最早目に見えてはいたが、 それでもいくつかの艦隊との間では死に場所を求めたような古参兵の猛烈な抵抗に遭い、少なからず損害が出た。 その損害の一つが、この提督の艦隊。 そこには改装を終えたばかりの伊勢の妹もいた。 それからすぐに戦争は終わった。 仇討ちも弔い合戦もなく、その機会は永遠に失われた。 そして今、こうしてその死を悼むことが残された二人に唯一出来る事だった。 717 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 29 22 ID OP/4A0t2 その夜、二人は同じ布団の中にいた。 「伊勢……今日もいいか?」 「はい。提督……来て」 上になった提督が伊勢の首に手を回し、唇が触れ合う。 提督の舌が伊勢の歯の間から口の中に滑り込み、伊勢の舌とくちゅくちゅ音を立てて絡み合う。 それに合わせて提督の腕が伊勢の背中に回り、伊勢と密着するように強く抱きしめる。 互いが互いの舌を味わい、一度口を離して見つめあい、また再び口と舌が交わる。 口の中を十分に味わうと、興味の対象は下に移る。 提督の手は伊勢の形の良い胸に伸び、その広い掌で揉みしだく。 「んっ…!くふっ……」 乳房の形が変わる度に伊勢の口から声が漏れる。 いつもの黒インナーは着ずに、肌の上に直接白い上着を着ているため、少しはだけさせるだけで提督の手が直に伊勢の乳房に触れる。 手だけでは足りなくなったのか、提督は乳房の先端に吸い付き、舌先での愛撫を始める。 「ひゃん!あっ、ああっ」 提督の舌が何度も往復し、伊勢も何度も嬌声を上げる。 提督によって徐々に敏感になってきた伊勢の体は、舌が通る度に快楽の津波が押し寄せ、艶のある声が闇に響く。 口を乳房で塞いだまま、指は伊勢の股間に滑り降り、彼女の秘所に少しずつ侵入していく。 「ひゃっ、ああっ!提督っ!!ていと―くひゃあ!」 提督の指が、くちゃくちゃと湿った音を立て、伊勢の中へと沈んでいく。 「ふあっ、くうっ……!ううぅ……!!」 母乳を求める子牛の様に、提督の指は伊勢の蜜に向かって進み、トロリとしたそれを全体に纏わらせていく。 「くひっ!!ひううっ!!はぁ……はぁ……はぁああっ!!」 汗ばんだ伊勢から放たれる雌の匂いが、提督の嗅覚に絡みつく。 718 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 32 17 ID OP/4A0t2 「行くぞ……」 「はい……。ください」 提督のむき出しになった一物が、伊勢の膣に触れる。 十分に濡れた伊勢のそれは咥えた一物をスムーズに奥へと進ませていく。 「くううぅ……ああっ、くああ!!」 奥まで一物が入り込むにつれ、提督の腰づかいも激しさを増す。 「くふうっ!!ふあ、ふぁあああっ!!」 「伊勢!伊勢ぇっ!!」 喘ぎ声に応じるように、提督も伊勢を呼ぶ。 腰を動かし、一物を押し込むように提督の動きは激しさを増す。 「うあっ!あん!提督!!提督!!ひゃひぃ!」 「伊勢っ……!くぅ、うっ……はぁ……」 提督が絶頂を迎え、伊勢の中にぶちまけた。 「くうっ、うっ…ああああーっ!!」 伊勢もまた絶頂に達した。 行為を終え、静まり返った闇の中、提督は伊勢をその腕の中に抱いていた。 その目には涙が浮かんでいる。 「大丈夫よ。私はちゃんと傍にいます」 その声にこたえるように、提督の腕はよりしっかりと伊勢を―彼に残された唯一の心許せる相手を抱きしめる。 人間の友も、自分を慕ってくれた艦娘も看取ってきた彼は、帰る場所も頼る人もいなかった。 彼の家には誰もいない。 彼を迎え入れてくれるはずだった家族は、戦乱の中で皆死んでいた。 家族も仲間も失った彼に平和な世界は広かった。 たった一人で生きるには広くて広くて、途方もなく広くて広すぎて、無性に悲しかった。 結局、戻ってきたのはかつての仲間の場所。 それが唯一の心の支え、唯一の存在理由だった。 伊勢もまた同じだった。 大事な妹や仲間を失い、解体されることを考えた彼女にもまた世界は残酷なまでに広かった。 結局、戻ってきたのはかつての仲間の場所。 彼女もそれが唯一の心の支え、唯一の存在理由だった。 719 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 34 03 ID OP/4A0t2 結局二人は似た者同士、帰る場所もない家なき子。 この関係を女々しい傷の舐めあいと言われれば、二人とも否定する気は無かった。 だがいったい誰がその台詞を言えるだろう。 戦い続けて傷ついた末、居場所を失って彷徨い、ようやく手に入れた安息をだれが否定できるだろう。 「提督。私はずっと傍にいます。だから―」 伊勢は提督の胸元に頭をうずめる。 「提督も傍にいて。私の傍に」 かつて『くろがねの館』と呼ばれた艦があった。 終戦後、解体される予定だったその艦に家を失った人々が住みつき、その艦をそう称した。 そして今、同じ名の艦娘はまた戦争で行き場を失った者を支えている。 彼女自身も、支えられながら。 終 +後書き 720 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23 38 56 ID OP/4A0t2 以上スレ汚し失礼しました。 以前から度々あった伊勢さん書きたい病の発作が出たので投下しました。 もっと木造迷宮っぽい感じにしたかったけどどうしてこうなった。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/374.html
324 :2-358:2014/05/11(日) 22 44 56.45 ID QFRj+f2x えっと不人気でおなじみの妙高型です。 半年ぶりのアップです。 すいません。丸二日推敲しましたがエロまでたどりつけませんでした。 戒めてとして最前半アップします。 後半も早めにアップします。 妙高型みすてないでぇ 325 :2-358:2014/05/11(日) 22 45 56.04 ID QFRj+f2x 4-1-1 鎮守府の食堂は喧騒に満ちていた。 喧騒を煽るかのように食欲をそそる香りが食堂に漂っている。 「カレーライス♪カレーライス♪」 謎の節をつけた歌を駆逐艦娘達が楽しそうに歌いながら配膳口に並んでいる。 金曜日の夕食はカレーライスである。 泊地からほど近い獅南島で夕食を取る艦娘もいるがカレーの日はほとんどの艦娘達がここで夕食をとる。 ここで暮らしている艦娘達全員を収めて余りある大食堂は付属の厨房も含めて鎮守府自慢の設備である。 食堂を仕切っているのは給糧艦『間宮』だが、艦娘達が手伝うことも多い。 「暁、にんじんは残さないんだぞ」 「一人前のレディは好き嫌いなんかないんだから。それにカレーのにんじんは、食べられるし」 「ねぇねぇ、今日のカレーは誰のカレーかな」 「電は鳳翔さんの辛くないカレーが良いのです」 カレーは海軍の定番メニューということもあり普段に増して手伝いを申し出る艦娘が多い。 客船仕込みの葡萄酒を使った飛鷹姉妹の欧風カレー。 豚ばら肉とたくさんのお野菜が入った鳳翔のカレーは正調おふくろの味だ。 意外なところでは酒粕を使った那智の和風カレーや苦瓜の入った伊58のカレーも人気だ。 「今日のカレーは……提督カレー、やったぁ!」 男子厨房に入るべからず、昭和の提督が見たら仰天するだろうが提督の趣味は料理である。 最初は内緒にしていたのだが、最近は良く厨房に立つようになっていた。 材料を刻んだり、具材を煮込んだりしながら戦略を練るのがいいらしい。 特に沖ノ島攻略戦が始まってからというもの、彼は厨房に立つことが増えた。 信頼し可愛がっている艦娘達が己が作った料理を喜んで食べてくれるのが何よりの気分転換なのだ。 今日の提督カレーはバターの香りが芳しいチキンカレーだ。 提督カレーは毎回色々変わる。きちんと手間をかけて作られた提督カレーは艦娘達に人気が高い。 配膳口では割烹着姿も神々しく《艦隊の母》鳳翔が艦娘達にカレーを盛り付けている。 「上々ね」 「メシウマ!」 「はぁ…癒されます…感謝ですね…」 「ほう。これはなかなかのものじゃな」 あちらこちらで艦娘達が楽しげにカレーを平らげていく。 併設されている厨房から提督がその光景を目を細めながら眺めている。 艦娘達との生活。 今の彼にとってかけがえのないものがそこにはあった。 暫く食堂を眺めていた提督は、傍らでいそいそと調理器具を片づけている艦娘に笑いかけた。 「羽黒、手伝ってくれてありがとう」 326 :2-358:2014/05/11(日) 22 47 25.56 ID QFRj+f2x 4-1-2 「いえ、あの、こちらこそありがとうございます」 恥ずかしそうに羽黒は微笑んだ。 白い三角巾と同じく白いエプロンが彼女の楚々とした魅力を強調する。 「司令官さんのお手伝いはお料理の勉強になります」 「そんなに大したものじゃないよ。でも羽黒が手伝ってくれて本当に助かった」 そう言っていつものように頭を撫でる。 艦娘の頭を撫でて労いや感謝の意を表すのは提督の癖だった。 羽黒は嬉しそうに頬を赤らめた。 ―司令官さんの手、優しくてあったかい。 彼女は提督に対して好意以上の気持ちを持っていた。 だが、生来の気弱さからそれを提督に伝えられずにいる。 姉たちや一部の積極的な艦娘達はストレートに提督に気持ちを伝え、それ相応に提督との時間を楽しんでいる。 ―私にはみんなみたいな積極性はないから…それに、もし、嫌いって言われたらどうしよう。 そう思い俯いている日々を続けていたが、二週間程前に見かけた提督と足柄の密事から羽黒の中で何かが芽生えた。 那智も妙高もそれぞれに提督と深い関係にある事を目撃してしまった。 同じ姉妹艦にできたのに。 自己嫌悪と嫉妬が羽黒の胸に渦巻いた。 ともすればそれは暗い悪い方へと彼女を導いてしまっただろう。 だが、ここで彼女は思い出す。 『艦内生活一般心得 宏量大度、精神爽快なるべし。狭量は軍隊の一致を破り、陰欝は士気を沮喪せしむ。』 帝国海軍昭和14年練習艦隊心得が彼女はうじうじするのを止め正面からの行動に出る事を決めた。 まごうことなく彼女は帝国海軍の一員、太平洋を所狭しと暴れまわった甲型巡洋艦なのだ。 そして『見敵必戦』こそは彼女達のモットーだった。 彼女は提督に思いを伝えるための作戦を練った。 そして、機会を増やせば同時に告白できる機会も増える、という結論に達した。 鳳翔にクッキーの作り方を習って以来、出撃の合間や休養日を使い料理の腕を磨いてきた。 特訓のおかげか一通りの事はできるようになり、ここしばらくは提督と肩を並べて厨房に立つことに成功していた。 取りあえず前哨戦に勝利したというべきだろう。 だが、彼女の目標はここではない。 ―こ、ここで満足しちゃダメ。 327 :2-358:2014/05/11(日) 22 53 24.20 ID QFRj+f2x 4-1-3 意を決した羽黒は精一杯の勇気を奮い起こした。 「あ、あの司令官さん」 「ん?どうした」 「あの、その…」 もじもじと先に進まない。 そんな姿の羽黒に何人かの艦娘達が気付いて無言のエールを送る。 照れ屋でおとなしい羽黒はともすれば臆病なイメージが印象に残ってしまう。 しかし、戦場での彼女は勇敢かつ熟練した海古強者だった。 『海の餓狼』妙高型重巡の名に恥じないその戦いぶりとその身を持って僚艦の盾にすらなる仲間思いの性格から姉妹のみならず他の艦娘からの信頼も高い。 目の前で茹蛸のようになる羽黒の頭を撫でている提督も内心の昂ぶりを自覚していた。 艦娘達に囲まれた生活に好意を寄せてくれる艦娘からのアプローチ。 口さがない艦娘達から鎮守府の種馬だのち○こ司令だの呼ばれている提督だがそれ故、余計に博愛主義を貫いてきたし艦娘達も敢えて提督を独占することは無かった。 『海軍士官たるもの港ごとに女がいて、粋な遊びの一つや二つできなくてどうする』 英雄色を好む、という言葉が一種のステータスとして通ってた時代の記憶を根底に持つ艦娘達にとっては、男子たるもの複数の女性にもてることは美徳としてとられているようだ。 現代の女性から見たら男のわがままのそのものだが、何しろ相手は大正昭和の強い女ばかりだ。 艦娘達が自分を好いてくれているのは嬉しい。どの艦娘も愛しい。言うなればお妾さんだ。 だが、かつて連合艦隊を率いていた提督達に及びもつかないひよっこである事を自覚している彼にとってはどうにもこそばゆい現実でもあった。 帝国海軍の将帥たちのように粋にとはいかず、ただの優柔不断になっている自分をなさけなく思ってしまう。 数いる艦娘の中でも羽黒は提督の中では特別の艦娘だった。 カムラン半島沖で彼女に出会ったとき提督は彼女に恋してしまった。 他の艦娘達に抱く感情とそれはちょっと違っていた。 だからこそ余計に自分が羽黒に惚れている事を意識してしまうと他の艦娘達との関係が壊れてしまうようで怖かった。 はっと我に返るともじもじしている羽黒と視線が合ってしまった。 艤装を外し白い前掛けの前に手を組み猫背気味にこちらを見ていた羽黒は提督に一歩踏みよった。 「あの…今夜、お部屋にお伺いしても……いいですか?」 普段のおどおどした口調とは打って変わった決意の籠った声。 ぎゅっと握られた手が小刻みに震えていた。 今まで逃げていた自分が恥ずかしい。当に答えは出ていたのだ。 羽黒の引っ込み思案な性格を利用して、羽黒に振られる事を恐れていたのだ。 あの慎ましい羽黒が勇気を振り絞って言ってくれたのだ。 答えなければ日本男児ではない。 328 :2-358:2014/05/11(日) 22 55 44.62 ID QFRj+f2x 夷を決してた提督は出撃前のされと同等の緊張で羽黒に応えた。 「わかった……夕食終了後、2200に私室で待っている」 提督は前掛けを外し、照れ隠しか軍帽を目深にかぶると傍らの給糧艦間宮に声をかけると、そのまま足早に厨房から逃げるように出ていった。 羽黒は俯いたままエプロン裾を握りしめている。 ―った……やったぁ。やっと言えたぁ……司令官さんと二人きり。 大きな瞳は潤み、今にも涙が零れ落ちそうだ。 立ち尽くす羽黒の肩が優しくそっと抱かれた。 顔を上げると鳳翔が柔和な笑顔を浮かべていた。 差し出されたハンカチで目頭を押さえると涙が零れる。しばらくの間、肩を抱いていた鳳翔がそっと促す。 「食べましょ。提督のカレー」 羽黒の心中をおもんばかってかそれ以上は何も言わない。 こくりと小さく頷いた羽黒は銀盆を持って食堂のテーブルに向かう。 銀盆の上には鳳翔の用意してくれたカレーライスと副菜が乗っている。 「おい、羽黒。ここだ」「どうしたの?失敗したの!まだチャンスあるか-」「足柄。声が大きいわ……ここ空いてるわよ」 ぽてぽてと心此処に無く歩く羽黒を姉たちが三者三様に呼び止めた。 姉たちは姉たちなりに羽黒の心配をしていたようだ。 ほとんどの艦娘達は食事に夢中で、提督と羽黒との一連のやりとりを見ていたものはごく少数だったが姉たちは一部始終を見ていたらしい。 さすがは姉妹艦である。 ちょっこんとテーブルに向かう羽黒を姉妹たちは神妙な顔で迎えた。 俯いてカレーを見つめる羽黒の表情は見えない。 暫くの沈黙の後、那智が口を開いた。 「その、なんだ……飲むか。今夜は私が付き合うぞ」 無関心なような顔をしてその実、情実細やかな次女が心配げに切り出す。 「い、一回や二回、断られたって大丈夫。チャレンジよチャレンジ!」 聞きようによってはカラ元気に聞こえてしまうところが足柄の悲しいところだ。 考えようによっては彼女が一番提督(の肉体?)に飢えているようにみえる。 だからライバルが減って喜ぶべきなんだろうがそこを励ましてしまうところが三女の良いところなのだろう。 「―提督が羽黒を傷つける事を言ったのなら後でしっかりお説教してあげる」 普段は優しくお淑やかな長女だが、敵に回すとこれほど怖い相手はいない。 提督に理路整然と意見できる娘は霧島と妙高、不知火ぐらいである。 「あ、あのね…」 俯いたまま、優しい末っ子はぽそりと口を開いた。 ゴクリ。 四姉妹の顔に緊張が走る。 「今夜、私室に…来なさいって」 三人の姉は顔を見合わせると微笑ましいちょっと意味深な笑顔で愛妹に言った。 「「羽黒、頑張ってね!」」 +後書き 330 :2-358:2014/05/11(日) 23 06 43.31 ID QFRj+f2x 取りあえず羽黒、頑張った。 ダメなのは提督=書き手だ。 部屋のあれこれも、なんというか、全身舐めしゃぶってるのをなんとか 見ていただけるレベルにまとめてます。 …嫁、難しい。浮気の鈴谷と長波に手を出してしまいそう。
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/708.html
68 :づほちゃん童貞を美味しく食べりゅ☆:2015/10/25(日) 22 16 06 ID 1EsRa5KA 提督×瑞鳳投稿します 69 :づほちゃん童貞を美味しく食べりゅ☆ ◆vUo//O.X1M:2015/10/25(日) 22 16 57 ID 1EsRa5KA 司令官室。 瑞鳳は煎餅布団の上に正座して司令官を待ち構える。 「質素な煎餅布団しか用意できなくてごめんな」 「ううん。瑞鳳はすっごい嬉しいよ」 瑞鳳とケッコンカッコカリした司令官のケッコン初夜。 あくまでも『(仮)』である事から本当の婚姻ではない。 しかし人間と艦娘の絆を結んだ証明ではある。 その点で司令官と瑞鳳はお互いに想いあっていた……だがしかし。 「ねえ司令。吹雪ちゃんから聞いたけど童貞なの?」 思わず司令は吹き出す。 吹雪は司令にとっての『初期艦』であり、瑞鳳も親しくしている駆逐艦なのだが……。 「吹雪め……勝手な事を言いおって」 この鎮守府の吹雪は司令官に対しては結構辛辣なのである。それはともかく。 「で? どうなの?」 「……女性経験は、ない」 70 :づほちゃん童貞を美味しく食べりゅ☆ ◆vUo//O.X1M:2015/10/25(日) 22 17 42 ID 1EsRa5KA 事実である。 司令官はいい年だが女性経験は一切ない。 だから童貞なのである。吹雪にそれを指摘される道理はないが。 「ふぅん……へぇ……」 瑞鳳は改めて司令官を値踏みするように見る。 海軍軍人らしい鍛えられたたくましい肉体。 だが女性経験はない。つまり童貞。 「……じゃあ例えば瑞鳳とセックスする気も……」 「ない」 即答だった。 「いや……別に瑞鳳が魅力的じゃないと言ってるわけじゃないんだ。ただ人間と艦娘が結ばれてどうなるか保証はない。人間と艦娘のハーフがどのような子に育つかもわからないし、それに妊娠したまま戦場に出れば母体も子供も危険だ……」 「妊娠して沈んだら子供ごと深海棲艦化しちゃうかもしれないしね」 「そこまでは考えていないが……有りえる話だな」 艦娘はまだ生まれて間もない。 裏ではどのような事が行なわれてるか司令官は分からないが人間と艦娘のハーフがどうなるかテストケースが少なすぎるのも事実だ。 瑞鳳を大事に思ってるからこそなのだろう。 「……三日月ちゃんや瑞鶴さんが言った通りか」 「あいつらが何か言ったと?」 「ううん。なんでもない」 瑞鳳は誤魔化したが、三日月や瑞鶴から「司令官(司令っち)はヘタレだから押し倒さないといけない」と念を押されていたのだ。 だが瑞鳳は諦めてなどいなかった。こういう男だから愛したのだろうから。 しかし理屈は分かるが、ケッコンしたのにもかかわらず抱かれないのは良くない。 瑞鳳は一つの賭けに出る気でこの場に居る。 「ねえ司令。あたしがどんなことやっても愛してくれる?」 「場合にもよる。深海棲艦化して民間人を襲うなら……」 「他の人間も艦娘も関係なくて、ただ司令とあたしの間だけの話。例えば九九艦爆を放ったりしたとか」 「瑞鶴や葛城にはしょっちゅう撃ちこまれてるな。慣れてるさ」 「瑞鶴さんや葛城ちゃんの話じゃなくて……まぁいいや」 瑞鳳は意を決したように机の上に置かれているものに目をやる。 夜食兼晩酌用に作った卵焼きと日本酒だ。 「じゃあ司令。卵焼き、食べる?」 「ああ、いただこう。瑞鳳の玉子焼きを肴に酒を頂くのが最近の楽しみだからな」 「ありがとう」 瑞鳳も最初から卵焼きを作れたわけではない。 司令のために鳳翔にならって頑張って来たのだ。 しかし瑞鳳はその信頼を裏切りかねない賭けに出る。 瑞鳳は司令に隠れて粉薬を取り出す。 「(大鯨ちゃんからもらったこのドイツ製試験薬で……)」 龍鳳がUボートからもらったドイツの試験薬。 それを瑞鳳は受け取っている。 これは一言にするなら『艦娘LOVE』に誘う媚薬だ。 『瑞鳳ちゃん。司令みたいな人はいくら誘っても我慢するから、こういうものを使って愛してあげるといいですよ』 空母になってやたら自信を得たのか、従姉妹とも呼べる龍鳳はどこかやり手だ。 しかし瑞鳳も有難くそれを受け取る。 「(今こそこれを使うね)」 サーッ! 念には念を入れて卵焼きにも試験薬を混ぜているのだが、更にお酒にも混ぜる。 「はい、どうぞ。司令」 「うむ、いただこう」 司令は瑞鳳が変な媚薬を混入した事を知る由もなく、いつものようにいただく。 「やっぱり瑞鳳の玉子焼きは美味いな」 「そう?」 「瑞鳳は魅力的な艦娘だからな」 「いつも言ってくれてるけどすごくうれしい」 「……瑞鳳。ここまで魅力的だった……か?」 司令は頭の中がピンク色のもやにかかったかのように顔を紅潮させる。 実際、瑞鳳を美少女だと思っているし、そういって無自覚に口説いた事もある。 だが司令はドイツ性の媚薬を接種した事で…… 『艦娘LOVE』の状態になっていたのだ! 「ごめん。大鯨ちゃんから人間を『艦娘LOVE』にする薬をもらって、それを混ぜちゃった」 「あ、ああ……だからなのか」 「瑞鳳のこと嫌いになった?」 「なれるわけないだろ……っ」 あくまで瑞鳳と司令官の間だけのだまし討ちだ。別に他の誰かに迷惑をかけてるわけでもない。 良心が苛む事などないから『艦娘LOVE』のまま瑞鳳を見つめる。 「ずいほう……」 兵器なのに見た目麗しい瑞鳳。 甲斐甲斐しい瑞鳳。 その綺麗なブロンド色の髪、娘の匂い、ぷっくらした唇。 「ちょっと恥ずかしいけど、卵焼きのちょっとエッチな食べ方すりゅ?」 「エッチな食べ方?」 「ちょっと口を開けて?」 艦娘への愛情から判断力を失っていた司令は、言われるがまま口を開ける。 すると瑞鳳は卵焼きを自らの口に含んだ。 司令はその時は代わりに瑞鳳が卵焼きを食べるのかと思ったのだが……。 「んー」 瑞鳳は口移しで卵焼きを司令官に食べさせられた。 「んっ!?」 瑞鳳は更に舌を絡めて来て司令が口を閉じるのを防ぐ。 だが元から瑞鳳への愛情を抱いていた司令が、媚薬の効果で更に瑞鳳への愛しさを強めていたため自ら率先して瑞鳳と舌を絡める。 いつもよりも甘い甘い卵焼きだ。 「ふぁあああああん。あはぁ……」 様子がおかしいのが瑞鳳。 口移しで卵焼きを食べさせた後、発情したかのように顔を真っ赤に紅潮させて喘ぐ。 龍鳳のもたらした媚薬の効果だろうか。 否。 ここで設定解説をしよう。 艦娘は人間に反抗しないように『人間LOVE』を植え付けられている。 瑞鳳は比較的その調整が薄れているが、しかしいざという時に備えた機能がある。 それこそ司令も知らない艦娘の恐るべき真実。 「しれぇのキス……おいしぃ……」 艦娘は人間の唾液を接種する事で発情するのだ! 今の瑞鳳は元から司令を慕っていた愛情を更に唾液効果で強められ、完全に発情してしまっている! 「海戦中じゃないしぃ、なんか服とか熱いぃ……ていうか、邪魔!」 呆けた顔で瑞鳳は乱暴に服を脱ぎ棄てて生まれたままの姿……というのもおかしいかもしれないが、とにかく瑞鳳は全裸になる。 「今なら格納庫……いっぱいまさぐってもいいよぉ」 「俺はそんなつもりじゃ……」 「いいからぁ」 呆けて痴態を晒す二人の人間と艦娘。 瑞鳳は司令をそのまま煎餅布団に押し倒す。 「司令は瑞鳳の何が欲しい?」 「……おっぱい」 司令は理性が飛んだ状態で言い出す。 「瑞鳳におっぱいないよ?」 「ある……すってもいいか?」 「うん、好きにしていいよ?」 司令は言われるがまま瑞鳳の乳首に吸いつく。 甲板胸と煽られても仕方のない。 瑞鳳の胸は平坦だった。しかし司令は必至で吸い付く。 「んっ。あはっ……司令ったら赤ちゃんみたいでかわいいなぁ……うふっ」 瑞鳳は司令の頭を優しくなでる。 「よしよし。司令かわいいなぁ」 これが正常な司令ならばどう考えていたかもわからない。 だが媚薬によって『艦娘LOVE』になっていた司令は、自らの瑞鳳への愛情欲求に素直になっていた。 「瑞鳳は……魅力的だ」 乳首を舌で舐め、転がし、優しく噛む。 小さい胸が瑞鳳へ性的快楽を強める。 「んっ! もっと優しく噛ん……うん。いいよ、司令だいすき……」 「瑞鳳の乳はおいしいな……」 「もう母乳なんか出ないよぉ……でも母乳出す方法ありゅかもしんない……」 「それは……」 「瑞鳳がぁ。しれぇの童貞を美味しく食べてぇ。人間と空母の卵を作ればぁ。母乳が出るかもぉ」 卵焼きを作るのではない。 卵を作るのだ。 本当に空母と人間で卵を作れるのかはわからない。 しかし今の瑞鳳は産卵する気満々である。 瑞鳳は司令のズボンを引っぺがす。 「えへへ……しれぇのおちんちん、駆逐艦の単装砲みたぁい」 媚薬効果もあってか司令の単装砲は空高くそそりあがっていた。 瑞鳳は単装砲に愛おしく頬ずりする。 「司令の単装砲ちゃんカワイイなぁ」 「うっ……瑞鳳……っ」 「司令も可愛いなぁ……瑞鳳の事、そんなに気持ちよくなってくれてるんだ。えへへぇ」 瑞鳳は単装砲をさすり、こすり、そして舌でなめる。 「うおっ!」 「司令の単装砲、食べりゅぅうううううう!」 瑞鳳は単装砲をそのまま口に咥えこむ! 童貞の司令にとっては未知の快楽が愛しい瑞鳳によって与えられ、悶絶する。 「んああああ瑞鳳……」 「もぐ……んっふっ。ちゅっ……」 瑞鳳は単装砲を美味しそうにしゃぶる。 テクニックがあるわけではない純粋なフェラチオ。 だが愛しい瑞鳳が自分のモノを美味しそうに咥えている事実が司令の艦娘への愛情を加速させる。 「瑞鳳……もうだめだ……射精るっ」 「だーめ!」 最後の一押しで口内射精しそうになった所で瑞鳳は単装砲を離す。 瑞鳳の唾液が司令の単装砲と淫らな橋を作るのを瑞鳳は未練たらしく見るが、ここが本番ではない。 司令は瑞鳳が口内に射精されるのを嫌がってたと思ったが違う。 「瑞鳳ね。司令の童貞をここでたべたいなー」 瑞鳳はくぱぁと自分の秘所を広げる。 瑞鳳の綺麗な髪の色と同じ毛がある。 だが司令はそれでも綺麗だと思う。 思うが最後の理性が押しとどめる。 「だ……めだ……」 「えぇ。瑞鳳のこと嫌い?」 司令は必死で泣きそうになりながらも首を横に振る。 艦娘への、瑞鳳への愛情を強化されつつも耐える。 「瑞鳳の事は……愛している。だが……人間と艦娘の子供がどうなるか……分からない」 78 :づほちゃん童貞を美味しく食べりゅ☆ ◆vUo//O.X1M:2015/10/25(日) 22 32 02 ID 1EsRa5KA 司令は最後の理性で瑞鳳を妊娠させることを拒んでいた。 瑞鳳を大事に思っているからこそ愛情ではその理性は壊せない。 だが瑞鳳はもはや我慢出来なかった。 司令の単装砲を自分の秘所まで向ける。 「でも瑞鳳、司令の童貞……食べりゅううううううっ!!!!!!」 そして腰を下ろして自分の秘所で司令の一物を咥えこむ……童貞を食べる! 「うおおおおおああああああっ!」 「アウトっ! アウトレンジッ! アウトレンジ決めましゅっ!」 「瑞鳳! 瑞鳳! 瑞鳳!」 「しれぇのどーてー食べちゃった! 瑞鳳のアウトレンジで食べちゃった! しれぇカワイイな! しれぇだいしゅきぃ」 「俺も好きだ! でも……瑞鳳をママにするわけにはいかないんだ!」 腰を必死で振る瑞鳳からの快楽と愛情を受けつつも司令は必至で耐える。 もう自分でも何故、瑞鳳に中出ししてはいけないのかわかっていない。 だが彼なりに瑞鳳をママにしてはいけないと考えている……何故? どうして? それも分からない。だが司令は瑞鳳を愛し、瑞鳳は司令を愛している。愛し合っているのに、こんなに気持ちいいのに分かりあえないのか。 「でも司令なんかかわいそう……アウトレンジしてるのに、アウトレンジしてるのに……瑞鳳のこと嫌い?」 「大好きだ!」 「瑞鳳もしれぇのことだいしゅきぃいいいいい!」 瑞鳳はなおも腰を振る。 だが司令はわけもわからず耐える。瑞鳳を護るため。 しかし快楽を通り越して激痛を耐えているようなものだ。 「瑞鳳がママになっちゃダメ?」 「だから……だから俺は瑞鳳を護る!」 「うれしぃ! ありがとぉ!」 会話は成立していないが、しかしお互いを想いあってるのは変わらない。 司令が無意識で瑞鳳を妊娠させない事を気遣っているように、瑞鳳は射精に耐える司令を救おうとしていた。 「司令と瑞鳳で人間と空母の卵つくりゅうううううううう!!!」 「瑞鳳ぉおおおおおお!」 瑞鳳は騎乗位のまま腰を振り、舌を絡めたキスをする。 そして耐える司令に対し、瑞鳳は最後の一押しをした。 「しれぇ! パパになっちゃえー!」 そして最後の一突き。アウトレンジ。 瑞鳳を妊娠させてはならないという理性で耐えていた司令だが、自分自身がパパになってしまう。 瑞鳳と自分の子供のパパになる。その瑞鳳の玉子焼き以上の甘い響きが司令の最後の一線を越えた。 「ずいほぉおおおおおおおおおお!!!!!」 今まで我慢してきたものが全て射精された。 瑞鳳への愛しさと快楽を込めたその全てを叩きつける。 「ひゃあああああああああっ! しれぇのがぁ。瑞鳳の膣内にいっぱぁいきてりゅ! アウトレンジぃ! アウトレンジしゅりゅうううううう!!!!!!」 出しても出しても止まらない。 瑞鳳は司令にキスをして更に高める。 「まだ出てりゅ! 出てりゅ! しれぇがパパになっちゃうぅうううううううう!!!」 「づほぉおおおおお! づほぉおおおおお!」 文字通りアウトレンジとしか言いようがない量が出る。 全てを射精し終えるまで永劫のような時が流れる。 「はぁ……はぁ……」 一度の大量射精で赤疲労になる司令。 瑞鳳は彼のたくましい胸板を舐めながら愛おしく語る。 「パパになっちゃいますね……あなた」 瑞鳳の『あなた』『パパ』呼ばわりを聞いて、司令の中で何かが切れた。 騎乗位になってた瑞鳳を逆に押し返す。 「あんっ! あなた!?」 「たまご! たまご作るぞずいほう!」 「うんっ! うんっ! やせんでぇ! にんげんとぉ! くうぼのぉ! たまごつくりゅうううううううう!」 その後滅茶苦茶夜戦した。 翌日。 「……ごめんなさい」 理性を取り戻した司令と瑞鳳は向かい合い、煎餅布団の上で瑞鳳は頭を下げる。 「さつき1号……いや『ろー』だったか? ドイツからの物資にあったな。アレを混ぜたんだろう?」 薬の効果が少し残りつつも、まだ理性的な事を考えられるようになった提督が指摘する。 「……はい」 「多分入れ過ぎだ。それに明石が量産しようとしているらしいが、次入れる時は量に気を付けろ?」 「怒らないの?」 「あの薬は人間に『艦娘LOVE』にするための、それこそ媚薬だろう。君たち艦娘はキスだけで興奮するのに人間はそうならないのは、アンフェアじゃない」 艦娘は人間を愛するように出来ている。 だがそれはあくまで一方的だと司令は思う。 人間も艦娘を愛さねば意味はない。 それに司令が瑞鳳を女として愛しているのも真実なのだ。 「むしろ謝らねばならないのは俺の方だろう」 司令は瑞鳳に向けて土下座する。 「ちょっ、なんで司令が謝るの? え?」 「艦娘と人間のハーフはどうなるか分からない。だから君に中出ししたくはなかったんだが……」 「もー。司令のこと大好きだけど、そういう所ヘタレだと思うな」 瑞鳳はそう言いながら司令に軽いキスをする。 「瑞鳳はちゃんと司令の卵を産むし、それまでには静かな海を子供に見せてあげるから……ね?」 「そうだな。いつか静かな海で、だ」 やる事は決まっている。いつか静かな海で。 「俺は誓うよ。ちゃんと瑞鳳を最後まで愛する。絶対沈めない。もし沈んでもちゃんと迎えに行く」 「ジュウコンカッコカリすりゅ?」 「俺はしない」 「……そういう所、瑞鳳があなたの事大好きな理由なんだよ。ちゃんと元気な卵、産むからね」 媚薬を使ってはいるが元々二人は愛し合っていた。 カッコカリであろうが結婚である事は何も変わらない。 「なァ瑞鳳」 「なあにあなた」 「空母って産卵するのか?」 「さあ……でもどっちにしてもちゃんと元気な赤ちゃん産むからね!」 「……ああ。君の子供のパパになるからな」 ~了~ これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
https://w.atwiki.jp/kancolle_ero/pages/505.html
172 名前:提督×磯波[sage] 投稿日:2014/07/25(金) 12 53 35 ID ZBan1xk2 [2/11] 唐突に投下。前スレ提督×吹雪1-147避の続きのようなもの。設定も引き継ぎます 吹雪ちゃんじゃなくてごめんね 「…」 「…」 提督は今、深夜までずれ込んだ幕僚との会議から帰還し、執務室に入ろうとドアを開けたそのままの姿勢で動けなくなっていた。 固まっているのは、執務室にある来客用のソファで、何か白い布状のものを抱いて妙な格好で座っている艦娘―磯波も同じだった。 駆逐艦娘、磯波。吹雪と同型の艦娘で、吹雪より更に目立たなくて大人しい娘である。 やや引っ込み思案で余りにも我を出さないのが欠点といえば欠点だが、この鎮守府では最古参級の艦娘であり、吹雪と同じく重要な戦力として昔からこの鎮守府を支えていた。 その磯波が、提督の執務室で、明かりも付けず、提督の足音に気づかないほど何かに耽っている。 「ぁ…あ、の…ぁ…」 蚊の鳴くような声を漏らしてはいるが、それは全く言葉としての体を為していない。 予想外の事態に体が動かなくなっているのは明らかだった。 艦娘は、命令遂行をスムーズにする目的で、「提督に好意を抱くよう」調整され建造される。 提督としてここに赴く際に、渡された資料に記されていた文章である。 加えて、艦娘は戦闘によるストレスを、性的欲求の形に変えて貯めこむこと。 練度が高ければ高くなるほど、その欲求は強くなること。 親しい間柄の艦娘がいればお互いで発散することもできるが、そうでない艦娘は自分で自分を慰めることしか出来ないこと。 …それが、彼の最初の艦娘・吹雪から聞かされた、艦娘の隠された事実だった。 それを知らなかった数日前までの彼なら目の前の光景を理解できずにパニックに陥っていただろう。 しかし今の彼には、磯波がこの執務室で行っていた行為がどういうものなのか、容易に察することが出来た。 小さく深呼吸した彼は、部屋に入る動きを再開させる。 「! っあ、の、これ、は、」 「磯波。君はそこで何をしているのかな?」 「ゎ、た、しは、っ、そ…の…っ」 「何をしているのか、と尋ねているんだが」 ぶるぶると震えながら、言葉にならない言葉を繰り返す磯波。さらに歩み寄ると、彼には状況がより正確に把握できた。 セーラー服のような普段の艦娘制服を肌蹴た磯波は、見慣れた彼の軍服を掻き抱いてソファに座り、 軍服の袖を持った右手をM字に立てられた脚の中央に伸ばしたまま、身体を硬直させていた。 羞恥と恐怖がない混ぜになって磯波を支配しているのは明らかであり、その姿は怯える小動物を連想させた。 その姿とこの異様な事態に、普段の彼では考えられないない感情と欲求… すなわちもっと虐めたい、辱めてみたいという下劣な欲望をむくむくと膨らませていた。 「見た所それは私の服のようだが、何をしていたのかな」 「…っ …ぁ…っ ぁ…」 「ふむ…私には、君が私の服で自慰をしていたように見えるのだが…違うかい?」 「~~~~ッ!!」 朱の差していた磯波の顔がさらに紅潮し、俯いたまま身体を縮みこませ、黙りこんでしまう。 期待した通りの反応に、異常なまでに興奮しているのを彼自身も自覚していた。 「さて、困ったことだね、磯波」 「…ぃ」 「ん?」 「…さい、提督、ごめんな、さい、すみません、提督…っ」 ポロポロと涙をこぼしながら、嗚咽の混ざったぎりぎり聞き取れる声で謝罪を繰り返す磯波。 「磯波、君は何に対して謝っているんだい?」 「…たし、て、とく、で、 …らしい、こと、を、そうぞうして、… ました…っ ごめんな、さいっ…」 「何だ、そんなことか。そういうことなら謝る必要はないぞ」 「…? あ…っ」 涙と鼻水の跡がついた顔を上げる磯波の頭を撫でてやりながら、提督はできるだけ優しい声で話しかける。 「君たち艦娘は、練度を上げるほどそういう欲求を強めていくと聞いた。 私の仕事は艦娘たちを率いて、深海棲艦を駆逐することだ。 当然、その仕事には戦力の全てである君たち艦娘をケアすることも含まれているんだよ。 掲示板にもそういう旨の知らせを貼り出していたのだが…気付かなかったかな?」 「い…いえ…っ で、も、提督に、は、吹雪ちゃん、が、わたしなん、て、そんな…」 「ふむ…これは、そういう話ではないんだよ。君だって、吹雪と同じように立派に役目を果たしている艦娘なんだ。 君が苦しんでいるなら、それを解消するのも私の仕事なのだから、遠慮する必要はない」 「で…では…っ、困ったことと、いうのは…?」 「君がここに来てこんなことをしてしまうまで我慢していたことを察せなかった、私の鈍さのことだよ」 「…」 驚いたように目を丸くして私を見つめる磯波。 袖のところに濃い染みができてしまっている自身の服を一瞥し、しかし、と彼は言葉を続ける。 「明日私が着る上着が汚れてしまったな。 そんないやらしい臭いのする服では、仕事をすることが出来ない。その点は君の失態だよ、磯波」 「…っ は、い…すみま、せん…」 「罰として、そうだな…磯波にはもうちょっと恥ずかしい思いをしてもらおうかな」 「ふぇ…?」 提督は磯波の隣に腰を下ろし、ことさら優しく語りかける。 「ここで、さっきの行為の続きをしたまえ」 「~~~!?」 「ん?どうした?」 「そ、そんな…恥ずかしいです…」 「そりゃあそうだ、恥ずかしくないと罰にならないじゃないか。 別に難しいコトじゃ無い。いつもやっているように、さっきの続きをスるだけでいいんだ」 「でも…わ、私…」 「磯波?これは磯波が私の服を汚してしまった罰なんだよ。 君は拒否できる立場じゃないんだ。わかるかい?」 「はい…」 「では、始めなさい」 「…」 観念したかのようにソファに座り直し、右手を股間に持っていく磯波。 スカートの中に手を突っ込み、下着の上から秘裂を撫でるように、なぞるように指を這わせている。 「… ぅ …っは 、ん… ぁ …っ」 (あ、れ…? いつも、より、敏感になってる…さっきまで、シてた、から?) 弄られる陰部はすぐにムズムズとした性感を送り出し、口からは微かにだがもう甘い喘ぎが漏れだしている。 手馴れた行為のはずなのに、何故か興奮はいつもの何倍にもなっていた。 それは先程まで弄っていたからか、それとも… 「はぁっ… んん…っ … ふ、ぁぅ… は っく、んん…っ」 (だめぇ…提督が、見てるのに…っ 見られてっ、ああ、指が止まらないっ…) 提督の目を気にしていたのも最初だけで、磯波の手の動きはどんどん大胆になっていく。 撫でていた手が性器全体の肉を下着ごと揉みしだくようになり、特に中指は一段深くショーツのクロッチ部分を抉っている。 衣擦れのような微かなしゅ、しゅという音は次第に粘質な水音に取って代わり、静謐な執務室に磯波の控えめな囀りとにちゃねちゃという卑猥な音だけが響く。 「っくふぅ、あうう…ふあ、ああっ、ひんっ…! っあ、うううっ…」 (ああ…ダメ、下着の上からじゃ、ぜんぜん、もどかしくて…っ) 布越しの刺激に物足りなくなった磯波は、ためらいなく下腹部からショーツの中に手を滑り込ませ ちゅくっちゅくと自らの性感帯を思う存分弄り始めた。 普段目立たなく大人しい艦娘が、愛液の大きな染みが出来た下着に手を突っ込み蕩けた顔で喘ぐ様は 提督をも異常な興奮に駆り立てていく。 「磯波、それじゃあ見えないよ。下着を脱ぎなさい」 「はぁっ、は、はぃ…」 「そう…もっと足を広げて、私に見せるんだ」 尻の方までベトベトになったショーツからもどかしげに片足を抜き、膝を折ったその姿勢のまま股を大きく開いて自らの秘部を露出させる。 快楽により羞恥心がすっかり麻痺してしまった磯波は、己の欲望のまま続きを始める。 「磯波は結構毛が濃い方なんだね…もうグショグショに濡れてて、おまんこに張り付いちゃってるけど」 磯波の陰部は駆逐艦にしては発達しており、髪の毛同様の黒い陰毛が控えめではあるが恥丘とクリトリスの周囲を半分程度覆っている。 その陰毛も、愛液でべっとりと濡れ、淫らな光沢を放っている。 肉色に色づいた小陰唇もワレメからはみ出しており、更に性的興奮で充血しぷっくり膨れて開き、 大切な最奥―ヒクヒクと蠢いている膣口を曝け出している。 周りの肉襞もやや複雑な形状をしており、既に男を誘い込む器官として完成しつつあった。 「愛液もトロトロこぼれてる。磯波のは濃い方なのかな?下に垂れるときに糸を引いてるね。 磯波のいやらしい臭いがすごいよ」 「や、やあっ…に、臭いなんて、はあっ、はあっ、ふ、うう…っ あ、あっ! っ…あ、は、はぅっ、ん、んっ…」 (やだあ、提督に、見られてる…アソコ弄って、気持ちよくなってるの、観察されちゃってるよおっ…) 「クリトリスもコリコリに膨れて、磯波が触る度に身体がビクビクしてる。そこをそうやって摘むと気持ちいいのかな?」 「やあ…あ、はっ んくっ、ああっ、はぁぅ、んんっ!… あ っ、 あ、はぁぁっ…」 わざと辱めるような言葉責めに、磯波はいっそう煽り立てられていた。 肌蹴た上半身に左手が無意識に伸び、脱ぐことすらもどかしいとばかりにブラに手を突っ込んで既に硬く勃起した乳首を弄る。 陰部を弄る指の動きもさらに激しくなり、指を2本も咥えこんでぐちゃにちゃと音を立てながら肉穴をまさぐるように動かす。 しばらくその刺激を味わったら、今度はトロトロの愛液に塗れた親指で、敏感な肉豆をグリグリと責め立てる。 その度に磯波の口から歓喜の悲鳴が漏れ出てくる。 時折太ももをビクリと震わせながら、磯波は提督の目の前で欲望の赴くまま自らに快楽を与え続けた。 「は、はうっ、は、ああ、ら、め、ああ、ひくっ、あはあ、ん、…ぅあ、あうう…っ」 「ふふ、磯波の自慰は激しいね。こりゃあ私の服があんなになってしまうわけだ。 指を突っ込むときに愛液の飛沫がこっちまで飛んでくるし、磯波の臭いが濃くて溺れそうだよ。 クリトリスを弄るときもとっても気持ちよさそうだし、磯波がこんなにエッチな娘だったなんて知らなかったな」 「や、だあ、てい、とく、そんなことっ…」 「私は見たままを言っているだけだよ?それに、私個人の感想を言わせてもらえれば、今の磯波はとっても魅力的だ」 「はあ、はあ、わたし、が…?」 「ああ。いつも遠征や任務をこなしてくれる、真面目で健気な磯波もいいけれど、 いやらしくアソコを見せつけて弄って、気持ちよさそうに蕩けてるエッチな磯波も、とても可愛いよ」 (見てくれてた…提督、私のこと、いつも見ててくれたんだ、こんな、私でもっ…) 「あ、あああっ…♥ あう、ひんっ、あ、あううう、はっ、はっ、やああっ、あうっ、ああ、くぅっ…」 自分のことなどとうに忘れ去られ、ただ遠征とたまの演習をこなす駆逐艦の一人としか見られていないと思っていた磯波の心は、『見ていてくれていた』というだけで歓喜に打ち震えた。 その感情が性快楽を一気に増幅し、提督に見られるまま、いや見られているからこそ絶頂へと駆け登っていく。 「だから声も抑えなくていいし、思う存分気持ちよくなりなさい。イく時は私に言うんだよ」 「はあ、ああ、あひぅ、ひぁっ、はひっ、ふ、ふぁぁっ! ひゃぁっ、はひゃぁぁっ♥ ああ、いッあんあッあっあっいっあっだめっ、もうイッ… ふむぅっ!? …っ! …!」 絶頂に達する、その最も無防備な瞬間を狙って提督が磯波を抱きしめ、唇を重ねる。 普段から密かに想っていた人の突然のキスと抱擁に磯波の身体はびくん、びくんと跳ね、より深い幸福絶頂へと誘われた。 「…っ ……ぷぁ、はっ…はっ…はっ…ふ、あ、あっ…」 (提督に、抱きしめられて、キスされながら…イっちゃった…こんなに気持ちよかったの、初めて…) 「よく頑張ったね、磯波。これで罰は終了だ。とても可愛くて、思わずキスしてしまったよ」 「は…っ、はぁっ、はぁっ…てい、とく…」 「何だい…?」 「わたし、も…ていとくを、ほしがって、いいん、ですか…?」 「ああ、さっき言った通りだよ。君たちの役に立つなら、私は協力を惜しまない」 「…わかり、ました…」 その言葉で、磯波は今まで抑圧していたタガが外れつつあるのを自覚していた。 我慢する必要はない。遠慮する必要もない。 欲望を抑えていた羞恥心は、先程のオナニーショーの時点でとうに吹き飛んでいる。 「…提督、ソファに座ってください」 「?こう、かな…」 「…失礼します、ね…」 「おお…っ?」 そう言うと磯波は提督の足元にうずくまり、提督のズボンを脱がしにかかったのである。 上気し呼吸の荒い磯波が何をしようとしているのかは明白であり、普段の彼女では考えられない行動に提督も意表を突かれていた。 (ああ…これが、しれいかん、の…おっきく、なってる…わたしの、みてたから…? だったら、嬉しいな… …あ…これ、おちんちんの、臭い…?) たちまちのうちに下着まで脱がされ、屹立した肉棒が露わになる。 磯波は熱に浮かされたように顔を近づけ、それどころかソレの放つ臭いを嗅ぎ始めた。 常人には決して好ましいとは言えない強烈な牡の性臭は、しかし発情した艦娘―磯波にとっては、より性的興奮を煽り立てる刺激となっていた。 「すー …はぁ… すぅー… ふあ、はああ…っ♪ はあ、舐めます ね…」 もはや伺いではなく宣言となっている淫行を、磯波は着々と進める。 誘蛾灯に引き寄せられる羽虫のごとく、磯波の唇が赤黒く膨れた亀頭に近づき、 やがてついに…陰茎に舌先が触れる。 「ぺろ、はー、ふはぁー♥ … ちゅっ……れろれろっ、ぺちゃ、ちゅ、ん、んっ……ちゅ、ちゅぱっ、ちゅう …はあっ、はあっ、ああっ♥ ……んむ、ちゅう……ちゅう、ずちゅじゅる…はぁっ、 くじゅ、れろれろ… はぁっ、はあっ、ちゅむ……はぁ……っ、れろ、れろぉ、じゅるるぅ♥」 一度舐め始めると、行為はより激しくなる一方だった。 恐る恐る先端を撫でた磯波の舌はすぐに亀頭全体を舐めまわすようになり、尿道口にキスを繰り返す唇が先端を咥え込むようになる。 濃厚な淫臭がペニスから立ち上り、息を継ぐ度に鼻腔に、肺腑に侵入するのを磯波は感じていた。 (あはあっ、私いま、提督のおちんちんナメて、吸って、嗅いでるよおっ… 熱くて硬くって、すごくえっちな、濃い味と臭いでアタマしびれちゃう…) 磯波の動きは初めてとは思えないほど大胆だった…実は彼女は、今まで何度もこの行為の妄想で自分を慰めていたのである。 当然今やっていることは頭の中で幾度と無く反芻したものばかりだったが、実際のその行為は彼女が考えていたよりもはるかに淫靡であった。 妄想にはなかった慕う男の味と臭いと熱を口内いっぱいに感じながら、思う存分堪能できる。 何より自分が舌を動かす度に提督がくぐもった声を上げて表情を歪める―おそらく快楽による―ことが、この上ない愉悦となっていた。 「ふうっ、う、うう、うあ、い、そなみぃっ…!」 「んちゅっ、ちゅるる、んん、んにゅるっ、ん…へーほく… いひゃいれふか?」 「い、や、痛くは、ない、大丈夫だ…好きにしてく、れっ…」 加減の分からない磯波にとって、自分の行為が苦痛を与えていないかが唯一の懸念であった。 それを否定する言葉と、まるで褒めるように頭を撫でられることで杞憂であるとわかり、改めて口淫を再開する。 「わふぁりまひた…♥ ん、ん、ん、んっ、 んく、はふ……はぁ、ふぅ……ちゅるる、ぐじゅう、ちゅ……」 既にパンパンに張った肉棒が、今度はヌメった唾液のプールにぬちゅりと漬け込まれる。 磯波の口腔粘膜が提督の逸物に吸い付き、舌がカリ首に付着した恥垢全てをこそげ取るかのようにまとわりつく。 通常、男を悦ばせるために行われるその行為は、今はただ純粋に磯波の性的欲求のみによって為されていた。 その証拠に磯波の表情は興奮と悦楽によって蕩けており、逆に提督の方が強制的に与えられる快感に堪える有り様であった。 「んぷ、ぷ ちゅ、ちゅうううううっ、ぷは、んく、ちゅうっ、ぢゅううううううっ…じゅるじゅる、んくっ…ぷは♥ れろぉ~…っ ぱく、ん、ちゅくっ、ちゅく、ぢゅぢゅううううう~~~っ、ん、ん、んく…」 「うっ…く、あああっ…」 ペニス全体に唾液をまぶし、それごと全体を咥えこんで口内の唾液といっしょに撹拌し、啜りながら陰茎ごと吸い上げ嚥下する… まるで肉棒のエキスを吸い取り、性器を掃除するどころかふやかしてしまうような磯波の執拗なフェラチオは続く。 先端からトロトロと分泌されるカウパーも容赦なく舐め取られ、磯波に摂取されてしまう。 「ん、ちゅるる…ちゅ…じゅるるるぅ……ちゅぱぁ… はふぅ……、んっ、んっ、んっ、んっ、んむむっ……ちゅぽっ…」 「ぐう、ううっ…いそなみっ…!もうっ…」 「は、う、んじゅる! ちゅ! じゅるぅ! いっひゃい……らひて、くらはい……! くぷ、くぷ、んっ ……んんっ」 少しでも射精を先延ばしにしたい意志の力と、今すぐにでも種付け汁を吐き出したい肉欲のせめぎ合いは 辛うじて発せられた磯波のおねだりがひと押しとなり遂に崩れた。 熱いマグマのような塊が奔流となって陰茎を駆け上り、その瞬間、少しでも奥に子種を送りこめという本能に従って提督の手が半ば反射的に磯波の頭を押さえつけた。 「うぐ、うう、い、そなみ…っ」 びゅっくうう!びゅく、どぷっ!びゅるっ、びるびゅるっ… 「ん、ふ っ~~~♥! ~、~~~!」 (き、きたっ…!ていとくの、せいし、うあっ、いっぱい出てっ… 熱くて、どろどろぷるぷるしてるっ…) 提督はもとより、磯波も口から離すつもりはさらさらなかった。 いかに磯波がフェラチオの妄想を繰り返そうと、射精だけはどのようになされるのか、想像の埒外であった。 しかし、酒保を通してこっそり流れてくるその手の雑誌には「飲むと男は悦ぶ」と書かれていたし、それでなくとも提督の精液である。 慕う男の精エキスを、一滴でも多く受け止めて、摂取して、自分のモノにしたい。匂いを、味を、記憶に焼き付けたい。 考えただけであまりのいやらしさに目眩がしそうなその願望を実現させるべく、磯波はえづきそうになるのを必死に我慢し、断続的に発射される独特な臭気の粘液を口内に貯めこむ。 「~~っ、ふーっ、ふーっ、…ちゅる、んく…っ ちゅく、くちゅっ、くちゅ…んんっ、んくっ、ふはっ、はーっ♥ んむ、ちゅう、ちゅううう…っ ちゅぷん!ぷあ、は、はーっ、はー…」 ペニスを咥えたまま精液を自分の唾液とぐちゃぐちゃに混ぜて味わい、ゆっくりと嚥下する磯波。 射精を終えたペニスを丹念に吸い上げ、尿道内の精液まで全て飲み込んでしまった。 (ああ、しょっぱくてにがくて、青臭くって…これ、が、提督の、精子…の、味とニオイなんだ… 私、提督イかせて…提督の精子、飲んじゃったんだ…っ♥) 「はあ、はあ、磯波、すごく気持ちよかったよ。こんなに出したのは久しぶり…んむっ…!」 精飲を終えた磯波が提督に倒れこむ…否、唇を奪いながら押し倒した。 発情した磯波にとって初めて飲んだ提督の精液は強烈な媚薬も同然であり、また提督を絶頂させたという高揚もあって、未だ異常な興奮と渇望にあった。 辛うじてひっかかっていたスカートを脱ぎ去り、提督の唾液を乱暴に奪い取りながら、磯波はさらなる行為を要求する。 「んちゅ、ちゅむっ、じゅるるる…っ、あはっ、はあ、はあ、提督っ…提督っ いい、ですよねっ… んんっ、提督のっ、あはぁっ♥ 欲しいんですっ、お願いします…っ、はう、んん…っ、んはぁっ…!」 尋ねてはいるものの、やめる気など端から無いのは明らかである。 完全に抑えの効かなくなった磯波は提督の胸に手をつき、馬乗りになりながら淫裂を陰茎に押し当て、物欲しげに腰をくねらせる。 唾液と愛液に塗れた互いの性器がくちゃにちゃと音を立て、あまりに卑猥なそのおねだりに提督の逸物はたちまち硬さを取り戻す。 「あ、はぁ、これで、挿れられます、ね…♪ ん…っく、ああ、提督の、あたってます…っ」 愛液まみれになった亀頭を自らのラビアにあてがい、腰を沈めていく。 「ふ、は、あ、はい、って、はうあああああっ♥ …あうう…」 くにゅりと柔らかな膣口が広がり、まだ完全には熟していない磯波の肉穴がペニスを飲み込んでいく。 ぷつ、という破瓜の感触と痛みも、今の磯波にとっては達成感を強調するスパイスでしか無かった。 逸物に対していささか小さい磯波の膣はそれでも精一杯肉棒を頬張るが、全てを飲み込めずに亀頭が磯波の最奥をこつんと叩く。 「う、あ、おくまで、お、っきぃ…はぁ、はぁ、はぅ…」 (提督の、おちんちん、挿れちゃったよおっ…うあ…っ、さき、っぽ、あたってぇ… …!? だ、めっ、も、キちゃう…!) 「ひっ、あ、ああ、あううう~~~っ…!!」 その刺激だけで、磯波は絶頂に達してしまった。 もちろんそんなもので磯波が満足するわけもなく、咥え込んだまま腰をずりずりと前後に動かし始める。 肌蹴られたセーラー服がそのたびにゆらゆらと揺れ、ずり上げられたブラと勃起した乳首が覗いている。 「はぅっ、あうっ、ああっ、ひっ…ううっ♥ す、ご、とまんな、ああっ、あうう…っ て、とくの、おちんちっ、ナカ、ひっかいてっ、ぞくぞくって、しますぅっ…」 「い、磯波のもっ、すごい、ぞっ…引き抜かれると、ぜんぶ、もっていかれそうだっ…」 普段の磯波とあまりにかけ離れた痴態に中てられ、提督もまた異常な興奮に陥っていた。 提督の肉傘が磯波の膣襞を抉り、痺れるような幸福快楽信号となって両者の脊髄を駆け登る。 磯波がいやらしく腰を動かす度に、ぷじッ、ぬぷぷっ、ぬぶぢゅっ、という空気の漏れる下品な音が結合部から漏れ出るが、それすらも二人の興奮を煽り立たせて、動きはさらに大胆に、激しくなっていく。 「はあ、はあ、てい、とくも、はうっ、気持ちいい、ですかっ…?」 「ああ…っ、ゆだんすると、また出てしまいそうだっ…」 「ぁはっ、はぁ、よかった、もっ…と、動きます、ね…」 言質を取ったとはいえ勢いで提督を犯してしまったことに少なからず罪悪感を覚えていた磯波は、提督が自らの欲望を快く受け入れてくれたことで更なる充足と快楽を得ていた。 もはや遮る物のない肉欲のままに、磯波は性快楽を貪る。 馬乗りの姿勢から膝を立たせ、咥え込んだまま提督の上でしゃがみ込むように座り、提督の胸に手をつく。いわゆる、M字騎乗位の体勢である。 大きく股を開いたまま本格的に上下運動を開始する。 「んっ…! ふっ、はあ、はあっ♥ あ゛う、あんっ♥ あっ、 てーとくのしゃきっぽ、う゛あっ♥ とんっ、とんってぇ♥ あたってましゅっ…!!」 「ああ、わかるぞ、磯波の一番大切な場所が、何回もキスしてきてる、なっ!」 「ら、ってっ、ていとくの、きもちくて、はあうっ♥ らいしゅきら、もんっ、ああっ、はうあっ」 肉のぶつかる規則正しい音と粘膜粘液が擦れる音、それに二人の喘ぎ声と嬌声が交じり合って執務室に響く。 柔肉が肉竿を存分に頬張り、子宮口が鈴口にちゅうちゅうと吸いつき、性器全体で提督の子種を搾り取ろうとしている。 「へあ…あ゛うっ♥ …おなか、にゃか、ぜんぶ、て、とくの、おちんちん、でぇっ♥ いっぱいに、なっへ、 ひぃやああ、おくまれ、わらしのなかぁ、とろいてるよぅ♥ …っ」 「う、うう、いそなみっ…しめつけ、が、うう、も、うっ…!」 「わた、しもおっ、もうっ、ああっ、あ゛、う、ぃふああああ゛~~~~~っ!!!」 ぶびぶりゅううっ!どびゅるるるっ、びぶっ、びゅくうっ! 子宮口が亀頭を包み込んだ瞬間、堪えに堪えた提督の欲望が爆発し、磯波の最奥に白濁汁を叩きつける。 ずっとそれを欲していた磯波の肉穴が喜びに打ち震えながら、全て絞り取るべく強収縮を繰り返す。 「あっあっあっ♥ …へあ゛ァっ♥ …あォああ゛…っ♥ あ゛~~~っっ…♥ あひっ、ふあっ…ァあ…♥」 提督が射精する前から始まった磯波の絶頂は、提督が注ぎこむ間も、注ぎ終わった後まで続く長いものだった。 普段大人しくて引っ込み思案な娘には不似合いな、長く声を上げ続ける動物的なイき方を磯波はした… 精魂尽き果てた磯波の身体を受け止めたまま、二人は気怠い事後の時間を共有する。 「… すみません、私、自分のことばかりで、してしまって…」 「磯波があんなことまでするとは思っていなかったな…驚きだよ」 「やぁ…っ! だって、提督ですからっ…あんなことするの、したいの、提督だけです…」 「…っ、そう、か…」 例の「刷り込み」を思い出し、提督は一瞬言葉を詰まらせる。 大義の名のもとに心を、感情を「歪まされた」少女…の姿を持つモノたち。 何度か受け入れてしまったとはいえ、葛藤は未だ彼の中で燻っていた。 いくら「兵器だ」「人外だ」と理屈を並べても、自身がそれらを人と看做しているのは明らかであった。 植え付けられた好意を、生理的欲求を利用する。鬼畜にも劣る所業ではないのか。 丁寧に後始末を済ませ、眠ってしまった磯波を寝室に運びながら、自問自答を繰り返す。 (…いや、磯波に言った通りだ…これは艦娘のため、仕事のためなのだ…) 誰に対する言い訳なのか、それは彼自身が一番理解していた。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/